家族が疲れすぎないために大切なこと(高次脳機能障害)
高次脳機能障害のある方を支えているご家族は、
- 「毎日気が休まらない」
- 「自分の時間がなくなった」
- 「イライラしてしまう自分が嫌になる」
- 「この生活がいつまで続くのだろう」
と感じることがあります。
ご本人の回復を願う気持ちが強いほど、「自分が頑張らなければ」という思いも強くなりがちです。
しかし、高次脳機能障害の支援は短期間で終わるものではありません。
だからこそ、ご家族自身が心と体の健康を保つことがとても大切です。
家族が疲れ切ってしまうと、ご本人を支え続けることも難しくなってしまいます。
この記事では、家族が無理をしすぎず、長く支えていくためのポイントをご紹介します。
「疲れるのは当たり前」と考える
介護や生活のサポートを続けていると、疲れを感じるのは自然なことです。
それにもかかわらず、「家族なのだから頑張らなければ」「疲れるなんて思ってはいけない」
と、自分を責めてしまう方が少なくありません。
しかし、疲れやストレスを感じることは決して悪いことではありません。
まずは、「疲れている自分を認める」ことが大切です。
一人で抱え込まない
高次脳機能障害の支援を、一人だけで担う必要はありません。
例えば、
- 家族に家事を分担してもらう
- 通院を交代で付き添う
- 買い物をお願いする
など、小さなことでも協力してもらいましょう。
「迷惑をかけたくない」と思うかもしれませんが、一人で頑張り続ける方が長続きしません。
完璧を目指さない
ご家族は、「もっと上手に支えたい」「いつも優しく接したい」と思うものです。
しかし、毎日完璧に対応することは誰にもできません。
疲れている日は、思わず強い口調になってしまうこともあります。
そのようなときは、「今日は疲れていたから仕方なかった」と自分を責めすぎないことも大切です。
明日また少しずつ関わり方を工夫すれば十分です。
自分の時間を持つ
ご本人のことを優先していると、趣味や休息の時間を後回しにしてしまいがちです。
しかし、家族自身が好きなことを楽しむ時間も必要です。
例えば、
- 散歩をする
- 本を読む
- 友人と話す
- 映画を見る
など、短い時間でも構いません。
心がリフレッシュする時間を意識的に作りましょう。
「できないこと」より「できたこと」を見る
支援を続けていると、
つい、「今日も忘れてしまった」「また同じ失敗をした」ということばかりが目につきます。
しかし、
- 自分からメモを見られた
- 一人で着替えられた
- 穏やかに過ごせた
など、小さな変化もたくさんあります。
ご本人だけでなく、ご家族自身も、「今日はここまでできた」と前向きに振り返ることが大切です。
地域のサービスを利用する
介護や支援を家族だけで続ける必要はありません。
例えば、
- 訪問リハビリ
- デイケア
- 高次脳機能障害支援拠点
- 家族会
- 地域包括支援センター
など、さまざまな支援があります。
サービスを利用することは、「手を抜くこと」ではなく、「長く支えるための工夫」です。
必要なときは遠慮せず利用しましょう。
悩みを話せる相手を持つ
悩みを一人で抱え込むと、気持ちがどんどん苦しくなってしまいます。
例えば、
- 家族
- 友人
- 主治医
- 言語聴覚士
- 作業療法士
- 家族会
など、安心して話せる相手を見つけましょう。
「話を聞いてもらえた」それだけでも気持ちが軽くなることがあります。
家族にも休息が必要
高次脳機能障害のある方には、疲れたら休むことが大切だとお伝えすることが多いですが、それはご家族も同じです。
疲れがたまると、
- イライラしやすくなる
- 集中できなくなる
- 体調を崩しやすくなる
ことがあります。
休むことは怠けることではありません。
支援を続けるために必要な時間です。
「全部支えなければ」と思わない
ご本人が困っている姿を見ると、何でも助けてあげたくなるものです。
しかし、できることまで代わりに行ってしまうと、ご本人の自立する機会が減ってしまいます。
「必要なところだけ支える」という考え方を持つことで、ご本人も家族も負担が軽くなります。
家族の笑顔も大切な支援
高次脳機能障害のリハビリでは、ご本人の回復ばかりに目が向きがちです。
しかし、ご本人にとって、家族が笑顔で過ごしていることは大きな安心につながります。
家族自身が元気でいることも、ご本人への大切な支援の一つです。
まとめ
高次脳機能障害のある方を支えるご家族が疲れすぎないためには、「一人で抱え込まないこと」と「完璧を目指さないこと」が大切です。
地域の支援や専門職を活用しながら、ご家族自身も休息や趣味の時間を持つことで、心と体の健康を保ちやすくなります。
また、ご本人のできたことだけでなく、ご家族自身の頑張りも認めることが大切です。
ご本人を長く支えていくためには、まず支える家族が元気でいることが何より重要です。無理をせず、一歩ずつ、そのご家庭らしい支え方を見つけていきましょう。

