味の地図(言語聴覚士ヒューマンシリーズ第2弾)

舞台は和歌山県白浜町。海を見下ろす緩和ケア病棟で働く言語聴覚士・三田村透は、かつて患者の「最後の願い」を叶えられなかった後悔を抱えています。

そんな彼が出会ったのは、末期胃がんを患う吉田祥子。

彼女が最後に望んだのは、「梅干しが、食べたいんよ」という、たったひとつの願いでした。

梅干しの味には、庭の梅の木、娘たちと囲んだ食卓、夏の日差し、潮風の匂い──生きてきた人生そのものが詰まっていました。

本作では、終末期医療や摂食嚥下をテーマにしながら、「食べることは、生きること」「味は記憶」という普遍的なテーマを静かに描いています。

医療従事者の方はもちろん、ご家族を支えた経験のある方、大切な人との思い出を振り返りたい方にも読んでいただきたい一冊です。

白浜の穏やかな海と潮騒を感じながら、「最後のひとくち」が持つ意味について、一緒に考えていただけたら嬉しく思います。

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