ことばの地図(言語聴覚士ヒューマンシリーズ第3弾)

このたび、言語聴覚士ヒューマンシリーズ第3作となる小説『ことばの地図』を出版しました。
本作の舞台は広島市。6月に開催される第27回日本言語聴覚学会 in 広島に合わせて執筆した作品です。
主人公は、回復期病院で働く若い言語聴覚士・秋月紗季。担当するのは、脳梗塞によって失語症となった元編集者・水嶋圭介です。
理解はできるのに、言葉が出てこない。
伝えたいのに、伝えられない。
そんな患者さんと向き合う中で、主人公は「話すこと」だけがリハビリではないことに気づいていきます。
本作で描きたかったのは、「治る」ことではなく、「待つ」ことの大切さです。
言葉は、なくなったのではなく、辿り着けなくなっているだけなのかもしれない。
広島の川、路面電車、雨上がりの街並みなど、実際の広島の風景を物語に織り込みながら、言語聴覚士だからこそ描ける視点で、一人の患者と一人の言語聴覚士の静かな対話を綴りました。
学会で広島を訪れた方はもちろん、失語症や言語聴覚士という仕事に興味のある方、そして人と人との対話を大切にしたいと考えている方にも、ぜひ手に取っていただければ幸いです。
『ことばの地図』が、皆さまにとって「言葉」と「対話」をあらためて見つめ直すきっかけになれば嬉しく思います。

