嚥下障害で手術が必要になることはある?
「嚥下障害で手術をすることはあるのでしょうか?」
「リハビリだけでは改善しない場合はどうなりますか?」
「手術をすれば普通に食べられるようになりますか?」
嚥下障害の治療では、まず嚥下リハビリや食事方法の工夫が基本になります。
そのため、多くの方は手術を受けることなく治療を続けています。
しかし、リハビリだけでは十分な改善が得られない場合や、
誤嚥を繰り返して命に関わる危険がある場合には、手術が検討されることがあります。
この記事では、嚥下障害で手術が必要になるケースや、代表的な手術についてわかりやすく解説します。
手術が必要になる人は多いの?
嚥下障害のある方すべてが手術を受けるわけではありません。
実際には、多くの方が、
- 嚥下リハビリ
- 食形態の調整
- 食事姿勢の工夫
などによって治療を行っています。
手術は、これらの方法だけでは安全な食事が難しい場合に検討されます。
どのような場合に手術が検討される?
例えば、
- 重度の誤嚥を繰り返している
- 誤嚥性肺炎を何度も起こしている
- リハビリを続けても改善が難しい
- 食道の入口が十分に開かない
- 喉頭や食道に手術で改善できる原因がある
などの場合に、手術が選択肢となることがあります。
手術にはさまざまな種類がある
嚥下障害の手術には、目的によっていくつかの種類があります。
誤嚥を減らすための手術
重度の誤嚥が続き、命に関わる危険が高い場合には、誤嚥防止手術が行われることがあります。
代表的なものには、
- 喉頭気管分離術
- 喉頭閉鎖術
などがあります。
これらは、食べ物が気管へ入らないようにすることを目的とした手術です。
ただし、手術方法によっては、声を出すことが難しくなる場合があります。
そのため、手術のメリットとデメリットを十分に検討することが大切です。
食道入口部を開きやすくする手術
飲み込む力はあるものの、食道の入口(食道入口部)が十分に開かない場合には、
輪状咽頭筋切開術などが行われることがあります。
この手術では、食道入口部が開きやすくなることで、食べ物が食道へ通りやすくなることが期待されます。
適応となる方は限られるため、VE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下造影検査)などで詳しく評価したうえで判断されます。
原因となる病気に対する手術
嚥下障害は、病気が原因で起こることもあります。
例えば、
- 頭頸部がん
- 食道の腫瘍
- 食道憩室
- 頸椎の骨の突出による圧迫
などでは、原因となる病気の手術によって、飲み込みが改善することがあります。
手術をすれば必ず治る?
手術を受ければ、すべての方が普通食を食べられるようになるわけではありません。
手術は、飲み込みの問題を改善したり、誤嚥を減らしたりするための治療の一つです。
手術後も、嚥下リハビリや食事の工夫が必要になることが少なくありません。
胃ろうとは違うの?
「胃ろうも手術ですよね?」という質問を受けることがあります。
胃ろうは、お腹から胃へ栄養を入れるための通り道を作る処置です。
誤嚥そのものを治す手術ではありません。
栄養や水分を安全に補給することを目的として行われます。
手術を受けるかどうかは慎重に決める
嚥下障害の手術では、
- 飲み込みの改善
- 誤嚥性肺炎の予防
といったメリットが期待できる一方で、手術の種類によっては、
声を失うなど生活への大きな影響が生じることもあります。
そのため、医師や言語聴覚士と十分に相談し、
本人や家族の希望も含めて慎重に検討することが大切です。
まずはリハビリが基本
手術は重要な選択肢ですが、最初から手術を選ぶことは多くありません。
まずは、
- 嚥下リハビリ
- 食事姿勢の工夫
- 食形態の調整
- 口腔ケア
などを行い、改善の可能性を確認します。
そのうえで、必要に応じて手術が検討されます。
まとめ
嚥下障害では、多くの方がリハビリや食事の工夫で治療を行い、手術が必要になる方は限られています。
一方で、
- 重度の誤嚥を繰り返す場合
- 誤嚥性肺炎を何度も起こす場合
- 手術で改善が期待できる原因がある場合
には、手術が選択肢となることがあります。
手術には、誤嚥を防ぐものや食道入口部を開きやすくするものなど、さまざまな種類があります。
どの方法が適しているかは、一人ひとり異なります。
まずは医師や言語聴覚士による十分な評価を受け、リハビリや生活の工夫も含めて、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。

