シャキア訓練(頭部挙上訓練)とは?
「シャキア訓練とはどのようなリハビリですか?」
「首を持ち上げる運動で飲み込みが良くなるのでしょうか?」
「自宅でもできますか?」
嚥下リハビリにはさまざまな訓練がありますが、その中でも代表的なのがシャキア訓練(Shaker exercise:頭部挙上訓練)です。
シャキア訓練は、首の前側の筋肉を鍛え、飲み込みの際に食道の入口を開きやすくすることを目的としたリハビリです。
飲み込みに関わる筋肉を鍛えることで、誤嚥の予防や飲み込みやすさの改善が期待できる場合があります。
この記事では、シャキア訓練の目的や方法、注意点についてわかりやすく解説します。
シャキア訓練とは?
シャキア訓練とは、
仰向けの状態で頭だけを持ち上げることで、飲み込みに関わる首の筋肉を鍛えるリハビリです。
1990年代にReza Shakerらによって報告され、現在では嚥下リハビリの代表的な訓練の一つとして広く知られています。
なぜ首を鍛えるの?
飲み込むときには、喉頭が前上方へ持ち上がるという重要な動きがあります。
この動きによって、
- 気管が守られる
- 食道の入口(食道入口部)が開きやすくなる
ため、食べ物が食道へ送り込まれやすくなります。
シャキア訓練は、この動きを助ける舌骨上筋群などの筋肉を鍛えることを目的としています。
どのような人に行われる?
シャキア訓練は、
例えば、
- 食道入口部が十分に開かない方
- 飲み込んだ後にのどへ食べ物が残りやすい方
- 喉頭の挙上が弱い方
などに行われることがあります。
ただし、すべての嚥下障害に効果があるわけではありません。
VE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下造影検査)などの評価をもとに、適応を判断します。
シャキア訓練の方法
一般的には、仰向けになった状態で、肩を床につけたまま、足先を見るように頭だけを持ち上げます。
代表的な方法には、
持続運動
頭を持ち上げた状態を一定時間保つ練習
反復運動
頭を持ち上げて下ろす動きを繰り返す練習があります。
ただし、時間や回数は状態によって異なるため、専門家の指導に従うことが大切です。
期待される効果
シャキア訓練によって、次のような効果が期待できる場合があります。
- 喉頭の挙上が改善する
- 食道入口部が開きやすくなる
- のどに食べ物が残りにくくなる
- 誤嚥のリスクが減る
ただし、効果には個人差があり、病気や障害の原因によって結果は異なります。
誰でも行えるわけではない
シャキア訓練は、首や腹筋にも負担がかかる訓練です。
そのため、次のような方では注意が必要です。
- 首の痛みがある
- 頸椎(首の骨)の病気がある
- 強い腰痛がある
- 心臓や呼吸器に負担をかけられない
このような場合は、別の訓練が選択されることがあります。
自己判断で始めないことが大切
インターネットなどで方法を見て、自己流で始めることはおすすめできません。
シャキア訓練は、適応を誤ると、首や肩を痛めたり、十分な効果が得られなかったりすることがあります。
また、嚥下障害の原因によっては、別の訓練の方が適していることもあります。
必ず医師や言語聴覚士の評価を受けてから行いましょう。
最近では別の訓練を選ぶこともある
シャキア訓練は代表的な訓練ですが、
近年では、首への負担が少ないCTAR(Chin Tuck Against Resistance:抵抗を加えた顎引き訓練)などが選択されることも増えています。
どの訓練が適しているかは、年齢や病気、体力などを考慮して決められます。
継続することが大切
シャキア訓練は、数回行っただけで効果が出るものではありません。
無理のない範囲で継続することで、筋力の維持や改善が期待できます。
痛みや強い疲労がある場合は無理をせず、必ず担当の医療者へ相談しましょう。
まとめ
シャキア訓練(頭部挙上訓練)は、首の前側の筋肉を鍛え、飲み込みの際に食道の入口を開きやすくするための嚥下リハビリです。
食道入口部が開きにくい方や、喉頭の挙上が弱い方に効果が期待できることがあります。
一方で、首への負担が大きいため、誰にでも適しているわけではありません。
まずは医師や言語聴覚士の評価を受け、自分の状態に合った訓練を選ぶことが、安全で効果的なリハビリにつながります。

