嚥下障害で血液検査やCT・MRIを行う理由とは?
「嚥下障害で血液検査をするのはなぜですか?」
「CTやMRIだけで嚥下障害は分かるのでしょうか?」
「飲み込みの検査とは何が違うのでしょうか?」
嚥下障害が疑われると、血液検査やCT、MRIなどの画像検査が行われることがあります。
「飲み込みの病気なのに、なぜ血液検査やCTが必要なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、これらの検査は嚥下障害そのものを診断するためではなく、原因となる病気や全身の状態を調べるために行われます。
この記事では、血液検査や画像検査で何が分かるのかについて、わかりやすく解説します。
血液検査だけで嚥下障害は分からない
まず知っておきたいのは、
血液検査だけで嚥下障害を診断することはできないということです。
血液検査では、「飲み込みが悪いかどうか」を直接調べることはできません。
しかし、
- 栄養状態
- 脱水
- 炎症
- 感染症
などを確認することで、嚥下障害による影響や原因を評価できます。
血液検査で分かること
栄養状態
嚥下障害があると、食事量が減り、低栄養になることがあります。
血液検査では、
- アルブミン
- 総たんぱく
などを参考に、栄養状態を確認します。
ただし、アルブミン値は炎症や肝機能などの影響も受けるため、
栄養状態だけを反映するわけではありません。体重の変化や食事量なども含めて総合的に評価されます。
脱水
飲みにくさから水分摂取が減ると、脱水になることがあります。
血液検査では、
- ナトリウム
- 尿素窒素(BUN)
- クレアチニン
などを参考に評価します。
誤嚥性肺炎
発熱や咳がある場合には、誤嚥性肺炎を疑って、
- 白血球
- CRP(炎症反応)
などを確認します。
炎症が強い場合は、肺炎などの感染症が考えられます。
CTやMRIでは何が分かる?
CTやMRIでも、嚥下障害そのものは分かりません。
しかし、嚥下障害の原因となる病気を見つけるために重要な検査です。
例えば、
- 脳卒中
- 脳出血
- 脳腫瘍
などでは、
MRIやCTで脳の状態を確認します。
原因が分かることで、その後の治療やリハビリの方針を決めやすくなります。
胸部レントゲンやCTで肺炎を確認する
嚥下障害では、誤嚥性肺炎を起こしていないか確認することも重要です。
胸部レントゲンや胸部CTでは、肺に炎症がないかを調べます。
特に、
- 発熱
- 咳
- 痰
などがある場合は、肺炎の有無を確認するために行われます。
頭頸部がんが疑われる場合
飲み込むと痛い、のどにつかえる、という症状がある場合には、
頭頸部や食道に病気が隠れていることもあります。
その場合は、
- CT
- MRI
- 内視鏡検査
などを組み合わせて原因を調べます。
飲み込みそのものは別の検査で評価する
血液検査や画像検査では、実際の飲み込みの動きは分かりません。
飲み込みを詳しく評価するためには、
- 嚥下機能評価
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下造影検査(VF)
などが必要です。
これらの検査によって、
- 誤嚥しているか
- 食べ物がどこに残るか
- 飲み込みのどの段階に問題があるか
を詳しく確認できます。
検査は組み合わせて診断する
嚥下障害では、一つの検査だけで診断することはほとんどありません。
例えば、
- 問診
- 血液検査
- CT・MRI
- VE
- VF
などを組み合わせることで、原因や重症度を総合的に判断します。
まとめ
血液検査や画像検査は、
嚥下障害そのものを診断するためではなく、原因となる病気や全身の状態を調べるために行われます。
血液検査では、
- 栄養状態
- 脱水
- 炎症
- 感染症
などを確認し、
CTやMRIでは、
- 脳卒中
- 脳腫瘍
- 頭頸部の病気
などの原因を調べます。
一方、飲み込みそのものは、
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下造影検査(VF)
などによって詳しく評価されます。
それぞれの検査には役割があり、組み合わせることで、その人に合った治療やリハビリにつなげることができます。

