話す仕組みを知ろう
私たちは毎日、当たり前のように会話をしています。
「おはよう」
「ありがとう」
「今日のご飯は何かな?」
こうした何気ない言葉も、実は体のさまざまな部分が協力して初めて話すことができます。
構音障害を理解するためには、まず「話す仕組み」を知ることが大切です。
この記事では、私たちがどのように言葉を話しているのかを分かりやすく解説します。
話すためには4つのステップがある
話すという行為は、大きく分けると次の4つのステップで行われています。
① 伝えたいことを考える
② 息を吐く
③ 声を出す
④ 発音する
どれか1つでもうまくいかなくなると、話しにくさが生じます。
ステップ① 伝えたいことを考える
まず脳の中で、「何を話そうかな」と考えます。
例えば、「お茶を飲みたい」と思ったら、脳はその内容を言葉に変換します。
そして、「お茶ください」という言葉を作り出します。
この部分に問題が起こると、失語症などの言語障害につながります。
ステップ② 息を吐く
話すためには空気が必要です。
肺から息を吐くことで、声や言葉の材料が作られます。
例えば、息を止めたままでは話せません。
私たちは呼吸を利用して声を作っています。
長い文章を話すと息が切れるのは、このためです。
ステップ③ 声を出す
吐いた息は喉にある声帯を通ります。
声帯が振動すると声が生まれます。
例えば、
- 普通の声
- 大きな声
- 高い声
- 低い声
などは声帯の動きによって変化します。
この部分に問題が起こると、
- 声がかすれる
- 声が出にくい
- 声が小さい
といった発声障害がみられます。
ステップ④ 発音する
最後に、声を言葉へ変える作業を行います。
ここで活躍するのが、
- 舌
- 唇
- あご
- 歯
- 軟口蓋(なんこうがい)
です。
例えば、
「ぱ」
唇を閉じて開く
「た」
舌先を上あごにつける
「か」
舌の奥を持ち上げる
このような動きを瞬時に行うことで言葉が作られています。
この部分に問題が起こると構音障害になります。
話すことはオーケストラのようなもの
話す仕組みは、オーケストラによく例えられます。
楽器が一つでもずれると美しい演奏にならないように、
- 脳
- 呼吸
- 声帯
- 舌
- 唇
のどれかがうまく働かないと、言葉は聞き取りにくくなります。
普段は意識しませんが、会話には非常に複雑な動きが必要なのです。
構音障害では何が起こるの?
構音障害では、主に発音を担当する部分に問題が生じます。
例えば、
- 舌が思うように動かない
- 唇に力が入らない
- のどの動きが弱い
といった状態になります。
すると、
「た」「ぱ」「か」
などの音を正しく作れなくなり、
ろれつが回らないような話し方になります。
病気によって話しにくさの原因は異なる
話しにくさの原因は一つではありません。
構音障害
発音する動きの問題
発声障害
声を出す問題
失語症
言葉を使う問題
高次脳機能障害
注意や記憶などの問題
同じ「話しにくい」でも、原因によって支援方法は変わります。
家族が知っておきたいこと
構音障害の方は、頭の中で考える力や理解する力が保たれていることが少なくありません。
そのため、「うまく話せない=分かっていない」ではありません。
話し方が不明瞭でも、ご本人は伝えたいことをしっかり持っています。
最後まで話を聞き、ゆっくりコミュニケーションを取ることが大切です。
まとめ
私たちが話すためには、
- 考える
- 息を吐く
- 声を出す
- 発音する
という複数の工程が必要です。
構音障害は、このうち「発音する」部分に問題が生じることで起こります。
話す仕組みを理解すると、なぜ構音障害で言葉が不明瞭になるのかも理解しやすくなります。
まずは話す仕組みを知ることが、構音障害を理解する第一歩です。

