構音障害と発声障害の違い
「言葉が聞き取りにくいと言われる」
「声がかすれるようになった」
「話しにくいけれど、構音障害なのか発声障害なのか分からない」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
構音障害と発声障害はどちらも話しにくさを引き起こしますが、障害される部分や症状は大きく異なります。
適切なリハビリや治療を受けるためには、それぞれの違いを理解することが大切です。
この記事では、構音障害と発声障害の違いについて分かりやすく解説します。
構音障害とは
構音障害とは、言葉を発音するために必要な舌や唇、あご、軟口蓋(のどの奥)などの動きがうまくいかなくなり、発音が不明瞭になる障害です。
例えば、
- ろれつが回らない
- 発音が不明瞭になる
- 言葉が聞き取りにくい
- 話すスピードが不自然になる
といった症状がみられます。
構音障害では、「どのような声で話しているか」よりも、「言葉を正しく発音できるか」が問題になります。
発声障害とは
発声障害とは、声帯や喉の働きに問題が生じ、声そのものが出しにくくなる障害です。
例えば、
- 声がかすれる
- 声が出ない
- 声が震える
- 声が小さい
- 長く話すと声が疲れる
といった症状がみられます。
発声障害では、言葉の発音は正常でも、「声の質」や「声量」に問題が生じます。
一番大きな違いは?
最も大きな違いは、障害される場所です。
構音障害
舌や唇など発音に関わる器官の障害
発声障害
声帯や喉の障害
つまり、構音障害は「言葉の形を作る問題」、発声障害は「声を出す問題」
と考えると分かりやすいでしょう。
症状を比べてみよう
例えば、「おはようございます」と話す場面を考えてみます。
構音障害の場合
声は出ていますが、「おあよーごじゃいます」のように発音が不明瞭になります。
発声障害の場合
発音は正しいものの、「おはようございます…」と声がかすれたり、小さくなったりします。
つまり、
- 構音障害=言葉が崩れる
- 発声障害=声が変化する
という違いがあります。
比較表で見てみましょう
| 項目 | 構音障害 | 発声障害 |
|---|---|---|
| 主な問題 | 発音 | 声 |
| 声の質 | 比較的保たれることが多い | かすれる・震えるなど |
| 発音 | 不明瞭になる | 保たれることが多い |
| 障害される場所 | 舌・唇・口腔周囲 | 声帯・喉 |
| 主な症状 | ろれつが回らない | 声が出にくい |
| 聞き取りにくさの原因 | 発音の崩れ | 声質の変化 |
両方がみられることもある
実際には、構音障害と発声障害が同時にみられることも少なくありません。
例えば、
- パーキンソン病
- ALS
- 脳卒中
- 神経筋疾患
などでは、
- 声が小さい
- 発音も不明瞭
という状態になることがあります。
そのため、「声」と「発音」の両方を評価することが重要です。
家族が気を付けたいこと
構音障害の方には、
- ゆっくり話してもらう
- 静かな場所で会話する
- 口元を見ながら聞く
などの工夫が役立ちます。
発声障害の方には、
- 無理に大きな声を出させない
- 長時間の会話を避ける
- 声が出しやすい環境を整える
ことが大切です。
どちらの場合も、「聞き取れないから話さないでほしい」という態度ではなく、伝えようとする気持ちを尊重することが重要です。
まとめ
構音障害と発声障害は、どちらも話しにくさを引き起こしますが、障害される場所が異なります。
構音障害は発音の障害、発声障害は声の障害です。
同じ「話しにくい」という症状でも原因はさまざまです。正しく理解することで、適切なリハビリや支援につなげることができます。

