構音障害と吃音の違い
「言葉がうまく話せない」
「会話でつまずくことがある」
このような症状があると、構音障害と吃音(きつおん)は同じような障害だと思われることがあります。
しかし、構音障害と吃音は原因も症状も大きく異なる障害です。
どちらも話すことに困難が生じるため混同されやすいのですが、適切な支援やリハビリを受けるためには違いを理解することが大切です。
この記事では、構音障害と吃音の違いについて分かりやすく解説します。
構音障害とは
構音障害とは、舌や唇、あご、のどなどの動きがうまくいかなくなり、発音が不明瞭になる障害です。
例えば、
- ろれつが回らない
- 発音がはっきりしない
- 声が小さくなる
- 言葉が聞き取りにくい
といった症状がみられます。
脳卒中やパーキンソン病、ALSなどによって起こることが多く、発音に必要な筋肉や神経の働きが低下することが原因です。
本人は何を話したいのか理解しており、言葉そのものも頭の中にあります。
問題は「発音する動き」にあります。
吃音とは
吃音とは、話そうとすると言葉がスムーズに出なくなる障害です。
代表的な症状として、
- 「あ、あ、あのね」と繰り返す
- 「ーーーぼくは」と音を引き伸ばす
- 最初の言葉が出てこない
などがあります。
これを「非流暢性(ひりゅうちょうせい)」と呼びます。
吃音のある方は発音そのものは正常であることが多く、言葉を作る能力にも問題はありません。
問題は「話し始めるタイミング」や「言葉の流れ」にあります。
一番大きな違いは?
最も大きな違いは、障害される部分です。
構音障害
発音するための運動機能の障害
吃音
話し言葉の流暢さ(スムーズさ)の障害
つまり、構音障害は「発音の問題」、吃音は「話し方の流れの問題」と言えます。
症状を比べてみよう
例えば、「おはようございます」と言う場合を考えてみます。
構音障害の場合
「おはようございます」と言いたい内容は分かっています。
しかし、「おあよーごじゃいます」
のように発音が不明瞭になることがあります。
吃音の場合
発音は正常ですが、
「お、お、おはようございます」
「ーーーーおはようございます」
のように言葉がスムーズに出ません。
同じ「話しにくい」でも、困難の内容はまったく異なります。
比較表で見てみましょう
| 項目 | 構音障害 | 吃音 |
|---|---|---|
| 発音 | 不明瞭になる | 正常なことが多い |
| 言葉の流れ | 比較的保たれる | 途切れたり繰り返したりする |
| 言葉の理解 | 保たれる | 保たれる |
| 原因 | 神経や筋肉の障害 | 発話の調整機能の問題 |
| よくみられる時期 | 脳卒中後や神経疾患 | 幼児期に発症することが多い |
| 主な問題 | 発音の運動 | 話す流暢さ |
発症する時期も異なる
構音障害は、
- 脳卒中
- パーキンソン病
- ALS
- 頭部外傷
などの病気やけがの後に発症することが多くみられます。
一方、吃音は2〜5歳頃の幼児期に始まることが多く、生まれつきの体質や脳の働きが関係していると考えられています。
家族が気を付けたいこと
構音障害の方に対しては、
- ゆっくり話してもらう
- 静かな環境で会話する
- 最後まで話を聞く
といった配慮が役立ちます。
吃音のある方に対しては、
- 急がせない
- 「落ち着いて話して」と言わない
- 話の内容に注目する
ことが大切です。
どちらの場合も、話し方ではなく「伝えたい内容」を大切にする姿勢が重要です。
まとめ
構音障害と吃音は、どちらも話しにくさを伴う障害ですが、原因や症状は大きく異なります。
構音障害は発音するための運動機能の障害、吃音は話し言葉の流暢さの障害です。
見た目には似ているように感じることもありますが、支援の方法やリハビリの考え方は異なります。まずはそれぞれの特徴を正しく理解することが大切です。

