糖尿病や生活習慣病と難聴の関係
「糖尿病があると耳も悪くなるのでしょうか。」
「生活習慣病と聞こえは関係がありますか?」
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、心臓や脳の病気だけでなく、耳の健康にも影響を与える可能性があることが分かってきています。
耳の中には非常に細い血管がたくさんあり、音を感じ取る細胞へ酸素や栄養を届けています。そのため、血管や神経に影響を及ぼす生活習慣病は、聞こえにも影響することがあります。
この記事では、糖尿病や生活習慣病と難聴の関係について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
糖尿病と難聴には関係がある?
糖尿病では、
血糖値が高い状態が長く続くことで、全身の細い血管や神経が障害されることがあります。
耳の奥にある内耳も、細い血管によって支えられているため、血流が悪くなったり神経が障害されたりすると、聞こえに影響する可能性があります。
近年の研究では、糖尿病のある方は、糖尿病のない方に比べて難聴がみられる割合が高いことが報告されています。
高血圧も耳へ影響することがある
高血圧は、血管へ大きな負担をかける病気です。
耳の細い血管にも影響を及ぼし、内耳へ十分な酸素や栄養が届きにくくなることがあります。
そのため、高血圧が長く続くと、聞こえに影響する可能性があると考えられています。
脂質異常症との関係
脂質異常症では、血液中のコレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化が進みやすくなります。
動脈硬化が進むと、耳へ栄養を送る血流にも影響が出る可能性があります。
糖尿病や高血圧と同じように、生活習慣を整えることが耳の健康にもつながると考えられています。
生活習慣病が重なるとリスクが高まる
糖尿病、高血圧、脂質異常症は、一つだけではなく、複数重なることも少なくありません。
さらに、喫煙や肥満、運動不足なども加わると、全身の血管への負担が大きくなります。
耳も例外ではないため、生活習慣病を総合的に管理することが大切です。
初めは気付きにくいことも
生活習慣病と関係する難聴は、ゆっくり進行することが多く、本人が気付きにくいことがあります。
例えば、
- テレビの音量が少しずつ大きくなる
- 聞き返しが増える
- 高い音が聞こえにくい
- 騒がしい場所で会話が分かりにくい
などの変化がみられることがあります。
「年齢のせい」と思い込まず、気になる変化があれば相談しましょう。
血糖値や血圧をコントロールすることが大切
糖尿病や高血圧がある場合は、治療を続け、血糖値や血圧を良い状態に保つことが重要です。
これは、心臓や脳だけでなく、耳の健康を守ることにもつながる可能性があります。
自己判断で薬をやめず、医師の指示に従って治療を続けましょう。
耳を守る生活習慣
聞こえを守るためには、生活習慣病の予防や改善も大切です。
例えば、
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- 禁煙
- 過度の飲酒を控える
- 定期的な健康診断
などを心掛けることで、耳だけでなく全身の健康維持にもつながります。
定期的に聞こえを確認しよう
糖尿病などの生活習慣病がある方は、健康診断だけでなく、聞こえについても気にかけることが大切です。
聞き返しが増えたり、家族から聞こえの変化を指摘されたりした場合は、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けましょう。
早めに変化へ気付くことで、適切な支援につながります。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、聞こえの状態を評価し、日常生活で困っていることについて相談に応じます。
補聴器の活用や、コミュニケーション方法、生活の中での工夫について助言を行い、必要に応じて耳鼻咽喉科や他の医療スタッフと連携しながら支援を進めます。
全身の健康を守ることが聞こえを守ることにもつながる
耳だけを健康に保つことはできません。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などを適切に治療し、健康的な生活を続けることが、聞こえを守ることにもつながります。
毎日の生活習慣を少し見直しながら、耳と全身の健康を大切にしていきましょう。
まとめ
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、耳の細い血管や神経へ影響を与え、難聴と関係する可能性があります。
聞こえの変化はゆっくり進行することが多いため、自分では気付きにくいことも少なくありません。
血糖値や血圧を適切に管理し、バランスの良い食事や運動など健康的な生活を続けることは、耳の健康を守ることにもつながります。
聞こえの変化を感じたら、早めに耳鼻咽喉科へ相談し、必要に応じて聴力検査を受けましょう。

