騒音性難聴とは?仕事や趣味で気を付けたいこと
「工場で働いていますが、耳への影響は大丈夫でしょうか。」
「ライブや音楽が好きですが、難聴になることはありますか?」
私たちの耳は、毎日さまざまな音に囲まれて生活しています。
適度な音は問題ありませんが、大きな音に長時間さらされると、耳の中の細胞が傷つき、聞こえにくくなることがあります。
これを騒音性難聴といいます。
騒音性難聴は仕事だけでなく、音楽やライブ、イヤホンなど趣味が原因で起こることもあります。
この記事では、騒音性難聴の原因や症状、予防方法について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
騒音性難聴とは?
騒音性難聴とは、大きな音に長時間さらされることで起こる難聴です。
耳の奥には、音を感じ取る有毛細胞があります。
この細胞は、強い音による刺激が続くと傷ついてしまいます。
一度失われた有毛細胞は、現在の医療では元に戻すことが難しいため、予防がとても重要です。
どのような人に起こりやすい?
騒音性難聴は、次のような環境で起こりやすくなります。
仕事
- 工場
- 建設現場
- 空港
- 鉄道
- 自衛隊
- 音楽関係の仕事
など、大きな音が続く職場では注意が必要です。
趣味・日常生活
- ライブやコンサート
- 音楽フェス
- バンド活動
- 楽器演奏
- 狩猟や射撃
- バイクやモータースポーツ
- 大音量でのイヤホン・ヘッドホンの使用
なども耳への負担になることがあります。
初期症状
初めのうちは、自分では気付きにくいことがあります。
例えば、
- 高い音が聞き取りにくい
- 会話は聞こえるが言葉が分かりにくい
- 耳鳴りがする
- テレビの音量が少しずつ大きくなる
- 騒がしい場所で会話しにくい
などです。
進行すると、日常会話にも影響が出ることがあります。
「一度だけの大きな音」でも起こることがある
騒音性難聴は、長年の騒音だけが原因ではありません。
例えば、
- 爆発音
- 銃声
- 花火の至近距離での爆発音
など、非常に大きな音を一度浴びただけで、急激に難聴になることがあります。
これを音響外傷と呼びます。
突然聞こえにくくなった場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
予防が何よりも大切
騒音性難聴は、日頃の工夫によって予防できることが多い病気です。
例えば、
- 耳栓やイヤーマフを使用する
- 大音量を避ける
- 音の大きい場所では休憩を取る
- 長時間続けてイヤホンを使用しない
- 音量を上げすぎない
などを心掛けましょう。
仕事で騒音にさらされる方は、職場で決められた保護具を正しく使用することが重要です。
定期的な聴力検査を受けよう
騒音性難聴は、ゆっくり進行することが多いため、本人が気付きにくい病気です。
騒音環境で働いている方は、会社の健康診断や聴力検査を積極的に受けましょう。
早い段階で変化に気付くことで、悪化を防げる可能性があります。
難聴になった場合はどうする?
一度傷ついた有毛細胞を元に戻す治療法は、現在のところありません。
しかし、
聞こえの状態に合わせて、
- 補聴器
- 聴覚リハビリテーション
- 職場や家庭での環境調整
などを行うことで、生活しやすくなることがあります。
早めに耳鼻咽喉科へ相談することが大切です。
家族も変化に気付きやすい
本人は、聞こえの低下に気付きにくいことがあります。
一方、家族は、
- テレビの音量が大きくなった
- 聞き返しが増えた
- 名前を呼んでも反応しにくい
などの変化に気付きやすいものです。
気になることがあれば、受診を勧めてあげましょう。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、騒音性難聴のある方に対して、聞こえの評価やコミュニケーションの支援を行います。
補聴器を使用する場合は、聞き取りやすい環境づくりや、仕事・家庭でのコミュニケーション方法について助言します。
また、耳鼻咽喉科や補聴器専門店などと連携しながら、生活に合わせた支援を行います。
耳は一生使い続ける大切な器官
仕事や趣味を楽しむことは大切ですが、耳を守ることも同じくらい大切です。
「少しくらい大丈夫」と思っていても、毎日の積み重ねによって耳へ負担がかかることがあります。
耳栓やイヤーマフを活用したり、音量や使用時間を工夫したりすることで、将来の聞こえを守ることにつながります。
まとめ
騒音性難聴は、大きな音に長時間さらされることで耳の有毛細胞が傷つき、聞こえにくくなる病気です。
仕事だけでなく、ライブや楽器演奏、イヤホンの長時間使用など、趣味が原因で起こることもあります。
一度傷ついた有毛細胞は元に戻すことが難しいため、耳栓やイヤーマフの使用、音量や使用時間の工夫、定期的な聴力検査などによる予防が何よりも大切です。
聞こえにくさや耳鳴りなどの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

