ムンプス(おたふく風邪)難聴とは?
「おたふく風邪で耳が聞こえなくなることがあると聞きました。」
「おたふく風邪は子どもの病気だから心配しなくても大丈夫ですか?」
ムンプス(おたふく風邪)は、耳の下にある耳下腺が腫れることで知られる感染症です。
多くの場合は自然に回復しますが、まれに難聴を引き起こすことがあります。
頻度は高くありませんが、一度発症すると重い難聴が残ることもあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。
この記事では、ムンプス(おたふく風邪)難聴の原因や症状、治療、予防について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
ムンプス(おたふく風邪)とは?
ムンプスは、ムンプスウイルスによって起こる感染症です。
主な症状は、
- 耳の下の腫れ
- 発熱
- 痛み
- 食事のときの違和感
などです。
子どもに多い病気ですが、大人が感染すると重症化しやすいことがあります。
ムンプス難聴とは?
ムンプス難聴とは、ムンプスウイルスの感染によって起こる難聴です。
ウイルスが内耳に影響を与えることで、音を感じ取る細胞や神経が障害され、感音難聴が起こると考えられています。
どのような症状が現れる?
ムンプス難聴では、次のような症状がみられることがあります。
- 突然聞こえが悪くなる
- 片耳だけ聞こえなくなることが多い
- 耳鳴り
- めまい
多くの場合、片耳だけに高度の難聴が起こることが特徴です。
ただし、まれに両耳へ影響することもあります。
いつ頃起こるの?
難聴は、耳下腺が腫れ始めた頃から、数日以内に起こることが多いとされています。
一方で、耳の腫れが軽かったり、気付かれなかったりする場合もあるため、「突然片耳が聞こえなくなった」という症状から診断されることもあります。
治療で治るの?
ムンプス難聴では、突発性難聴と同じように、ステロイドなどによる治療が行われることがあります。
しかし、残念ながら、聞こえが十分に回復しないことも少なくありません。
そのため、聞こえが悪くなったと感じたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
難聴が残った場合の支援
難聴が残った場合は、聞こえの状態に応じて支援を行います。
例えば、
- 補聴器
- 人工内耳(高度難聴の場合)
- 聴覚リハビリテーション
- 学校や職場での配慮
などを組み合わせながら、生活しやすい環境を整えていきます。
片耳難聴の場合でも、音の方向が分かりにくくなったり、騒がしい場所で会話が聞き取りにくくなったりすることがあります。
ワクチンによる予防が重要
ムンプス難聴を予防する最も有効な方法は、ムンプスワクチンの接種です。
ワクチンを受けることで、ムンプスの発症や重症化を防ぎ、難聴などの合併症のリスクを減らすことが期待できます。
接種については、かかりつけ医と相談しながら検討しましょう。
家族が気を付けたいこと
おたふく風邪になった後、次のような様子があれば注意が必要です。
- 呼びかけへの反応が悪い
- テレビの音量が大きくなった
- 片側から話しかけると気付きにくい
- 「耳が聞こえにくい」と訴える
少しでも気になることがあれば、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、ムンプス難聴によって聞こえにくさが残った方へ、
聞こえやコミュニケーションの支援を行います。
子どもでは言葉の発達や学校生活、大人では仕事や日常生活に合わせたコミュニケーション方法を一緒に考えます。
また、補聴器や人工内耳を使用する場合には、その活用方法についても支援を行います。
「子どもの病気」と軽く考えないことが大切
おたふく風邪は、多くの場合は自然に回復する病気です。
しかし、難聴をはじめとする合併症が起こる可能性もあります。
頻度は高くありませんが、一度難聴になると回復が難しい場合もあるため、予防や早期受診がとても重要です。
まとめ
ムンプス(おたふく風邪)難聴は、ムンプスウイルスが内耳へ影響を与えることで起こる感音難聴です。片耳だけに高度の難聴が起こることが多く、聞こえが十分に回復しない場合もあります。
聞こえの異常に気付いたら早めに耳鼻咽喉科を受診し、必要に応じて補聴器や人工内耳、聴覚リハビリテーションなどの支援を受けることが大切です。
また、ムンプスワクチンは難聴を含む重い合併症の予防につながるため、接種についても検討しましょう。

