指さしやジェスチャーが少ないときに考えたいこと
はじめに
「言葉だけでなく、指さしもしません。」
「欲しいものがあっても指をささず、大人の手を引いていきます。」
「バイバイや『ちょうだい』などのジェスチャーもあまり見られません。」
このような相談を受けることがあります。
指さしやジェスチャーは、言葉が出る前から始まる大切なコミュニケーションです。
そのため、言葉の発達を考えるときには、「どれくらい話せるか」だけでなく、「どのように気持ちを伝えようとしているか」にも注目することが重要です。
この記事では、指さしやジェスチャーが少ないときに考えたいことについて解説します。
指さしは言葉の土台になる
子どもは言葉を話し始める前から、指さしを使って気持ちを伝えます。
例えば、
- おもちゃを見つけて指さす
- 飛行機を見つけて「あっ!」と指さす
- 欲しいお菓子を指さす
このような行動は、「これを見て!」「これが欲しい!」
という気持ちを相手と共有しようとするコミュニケーションです。
指さしが増えてくると、その後に言葉も少しずつ増えていくことが多くあります。
ジェスチャーも大切なコミュニケーション
ジェスチャーには、
- バイバイ
- パチパチ
- 「ちょうだい」
- 「おいで」
- 首を振って「いや」
- 手を振って「あっち」
などがあります。
これらは、言葉を使わなくても自分の気持ちを伝える方法です。
ジェスチャーをたくさん使う子どもは、相手とのやり取りを楽しんでいることが多く、その後の言葉の発達にもつながっていきます。
指さしが少ない理由
指さしが少ない理由は一つではありません。
例えば、
- まだ発達の途中である
- 人とのやり取りが少し苦手
- 指さし以外の方法で伝えている
- 性格的に控えめ
など、さまざまな理由が考えられます。
指さしだけを見て判断するのではなく、お子さん全体の様子を見ることが大切です。
大人の手を引くことが多い場合
欲しいものがあるときに、大人の手を引いて目的の場所まで連れて行く子どももいます。
これは「クレーン現象」と呼ばれることがあります。
このような場合は、
- 指さしをするか
- 大人と目を合わせるか
- 相手の反応を見ているか
なども一緒に観察することが大切です。
必ずしも発達の問題があるとは限りませんが、コミュニケーションの発達を確認する一つのポイントになります。
指さしだけで判断しない
指さしが少なくても、
- よく目が合う
- 名前を呼ぶと振り向く
- 簡単な指示が理解できる
- ジェスチャーや表情で伝えられる
- 人とのやり取りを楽しんでいる
のであれば、発達を見守ることができる場合もあります。
反対に、指さしだけでなく、
- 目が合いにくい
- 人への関心が少ない
- 名前を呼んでも反応が少ない
- コミュニケーション全体が少ない
などが重なる場合には、一度専門家へ相談すると安心です。
家庭でできる関わり方
指さしやジェスチャーを育てるためには、大人が楽しみながら見本を見せることが大切です。
例えば、「見て、飛行機!」と言いながら指をさす、
「ワンワンいたね!」と一緒に指をさす、
「バイバイしよう。」と手を振るなど、日常生活の中で自然に繰り返していきましょう。
また、子どもが見ているものや興味を示したものに大人も注目し、一緒に楽しむことも大切です。
こうした経験が、「伝えたい」「共有したい」という気持ちを育てます。
相談したほうがよい場合
次のような場合は、一度相談することをおすすめします。
- 1歳を過ぎても指さしがほとんど見られない
- ジェスチャーがほとんどない
- 人と目を合わせることが少ない
- 名前を呼んでも反応しないことが多い
- 言葉だけでなくコミュニケーション全体が少ない
- 保護者が強い不安を感じている
早めに相談することで、お子さんの発達を確認し、家庭での関わり方について具体的なアドバイスを受けることができます。
まとめ
指さしやジェスチャーは、言葉が育つ前から始まる大切なコミュニケーションです。
指さしやジェスチャーが少ないときには、
- 発達の途中である可能性
- コミュニケーション全体の様子
- 理解する力
- 人とのやり取りへの興味
などを総合的に見ることが大切です。
一人ひとり発達のペースは異なりますが、不安がある場合には一人で悩まず、小児科や保健センター、言語聴覚士などの専門家へ相談してみましょう。

