吃音は子どもだけのもの?

吃音は子どもだけの障害ではありません

「吃音(きつおん)は子どもだけのもの」と思われることがあります。

確かに、吃音の多くは2〜5歳頃の幼児期に始まります。しかし、吃音は子どもだけにみられる障害ではありません。

成長とともに自然に改善する人がいる一方で、大人になっても吃音が続く人もいます。また、脳卒中や頭部外傷などが原因となり、大人になってから吃音のような症状が現れることもあります。

そのため、吃音は子どもから大人まで幅広い年代に関わるコミュニケーション障害といえます。


幼児期に始まることが最も多い

吃音は、言葉が急速に発達する2〜5歳頃に始まることが多く、特に3歳前後に発症するケースが多いとされています。

この時期は、

  • 話せる言葉が急激に増える
  • 長い文章を話し始める
  • 会話の機会が増える

など、言語発達が大きく進む時期です。

そのため、話し方にぎこちなさが現れやすくなります。


多くの子どもは自然に改善する

幼児期に吃音が始まっても、多くの子どもは成長とともに症状が軽くなったり、自然に改善したりします。

そのため、「小さい頃はどもっていたけれど、今は全く気にならない」という人も少なくありません。

ただし、すべての子どもが自然に改善するわけではなく、一部は学童期や成人期まで症状が続きます。


大人にも吃音のある人は多い

成人では約1%の人に吃音がみられるとされています。

学校を卒業し、社会人になってからも、

  • 会議での発言
  • 電話対応
  • 接客
  • 面接
  • プレゼンテーション

などで困りごとを感じる人もいます。

一方で、吃音があっても自分らしく働き、家庭を築き、さまざまな分野で活躍している人も数多くいます。


大人になると悩みの内容が変わる

子どもと大人では、吃音そのものだけでなく、困りごとの内容も変化します。

子ども

  • 学校で発表するのが苦手
  • 友達との会話が不安
  • 音読を避けたくなる

大人

  • 電話応対が苦手
  • 自己紹介に緊張する
  • 面接や会議で話しづらい
  • 接客や営業に不安を感じる

このように、ライフステージによって必要な支援も変わってきます。


大人になってから始まる吃音もある

大人になって初めて吃音のような症状が現れる場合もあります。

これは幼児期から続く吃音とは異なり、

  • 脳卒中
  • 頭部外傷
  • パーキンソン病などの神経疾患

などが原因となることがあります。

このようなものは獲得性吃音と呼ばれます。

急に話し方が変わった場合は、脳や神経の病気が隠れている可能性もあるため、医療機関を受診することが大切です。


大人だから治療できないわけではない

「大人になったらもう治らない」と考えてしまう人もいますが、そのようなことはありません。

吃音を完全になくすことが難しい場合でも、

  • 話しやすくなる工夫を身につける
  • 話すことへの不安を軽くする
  • 日常生活で困らない方法を学ぶ

など、言語聴覚士による支援や環境調整によって生活の質を高めることが期待できます。

大切なのは、「話し方だけ」を変えることではなく、「安心して話せる生活」を目指すことです。


周囲の理解が何より大切

吃音のある子どもも大人も、「もっとゆっくり話して」「落ち着けば大丈夫」と言われることで、かえって話しにくくなることがあります。

年齢に関係なく、

  • 最後まで話を聞く
  • 話す速さを急かさない
  • 話し方より内容に耳を傾ける

といった関わり方が大切です。

周囲の理解が深まることで、本人は安心してコミュニケーションを取れるようになります。


まとめ

吃音は幼児期に始まることが多い障害ですが、子どもだけのものではありません。大人になっても吃音が続く人や、病気をきっかけに大人になってから吃音を発症する人もいます。

年齢によって困りごとは異なりますが、適切な支援や周囲の理解があれば、吃音と向き合いながら自分らしく生活することは十分可能です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です