舌の運動で飲み込む力を鍛える方法
「舌の運動は飲み込みに効果がありますか?」
「自宅でできる舌のトレーニングを知りたいです。」
「舌を鍛えると食べやすくなるのでしょうか?」
舌は、食べ物を口の中でまとめたり、のどへ送り込んだりするために欠かせない筋肉です。
そのため、脳卒中や加齢、神経疾患などによって舌の動きが弱くなると、飲み込みにくさの原因になることがあります。
そこで行われるのが舌の運動(舌のトレーニング)です。
適切な舌の運動を続けることで、舌の動きや力の維持・改善が期待できます。
この記事では、舌の運動がなぜ大切なのか、自宅で行われる代表的なトレーニングについてわかりやすく解説します。
なぜ舌は飲み込みに重要なの?
食べ物を飲み込むまでには、舌がさまざまな働きをしています。
例えば、
- 食べ物を噛みやすい位置へ動かす
- 食べ物を一つにまとめる
- 食べ物をのどへ送り込む
- 飲み込みを助ける
などです。
舌の動きが弱くなると、食べ物が口の中に残ったり、うまく飲み込めなかったりすることがあります。
舌の運動が必要な人
舌の運動は、例えば、
- 脳卒中後の嚥下障害
- パーキンソン病
- 神経筋疾患
- 加齢による舌の筋力低下
- 頭頸部がん治療後
などの方に行われることがあります。
ただし、すべての嚥下障害に必要なわけではありません。
言語聴覚士が評価したうえで、その人に合った訓練を選びます。
代表的な舌の運動
舌を前に出す運動
舌をできるだけ前へ突き出し、数秒保って戻します。
舌を前へ動かす筋力や動きを維持することを目的としています。
舌を左右へ動かす運動
舌を口の左右へゆっくり動かします。
左右差がある場合は、動きにくい側も意識して行います。
食べ物を口の中でまとめる力の維持につながります。
舌を上下へ動かす運動
舌先を上唇や下唇へ向かって動かします。
舌をさまざまな方向へ動かすことで、柔軟性や動きの維持を目指します。
頬を押す運動
舌で頬の内側を押します。
左右それぞれ行うことで、舌の力を高める練習になります。
舌を上あごへ押しつける運動
舌全体を上あごへ押しつけ、数秒保ちます。
飲み込みの際には、舌が上あごに押しつけられることで食べ物をのどへ送り込むため、この動きに近い運動になります。
舌の筋力トレーニングもある
近年では、専用の器具を使って、舌の筋力を測定・トレーニングする方法もあります。
舌圧トレーニングと呼ばれ、舌で器具を押すことで筋力を鍛えます。
医療機関や一部のリハビリ施設で行われています。
毎日続けることが大切
舌の運動は、一度行っただけで大きな変化が現れるものではありません。
毎日少しずつ続けることで、筋力や動きの維持・改善につながります。
ただし、疲れるほど繰り返す必要はありません。
無理のない範囲で継続することが大切です。
自己流で始めてもいい?
舌の運動は比較的安全なリハビリですが、自己判断で行うことはおすすめできません。
例えば、舌の動きに問題がない方では、別のリハビリを優先した方が効果的なこともあります。
また、病気によっては適さない訓練もあります。
まずは医師や言語聴覚士に相談し、自分に合った方法を教えてもらいましょう。
舌の運動だけで改善するわけではない
舌は飲み込みに重要ですが、
嚥下は、
- 唇
- 頬
- のど
- 呼吸
- 姿勢
など、多くの働きが関係しています。
そのため、舌の運動だけで嚥下障害が改善するわけではありません。
食事の工夫や他のリハビリと組み合わせて行うことが大切です。
まとめ
舌は、食べ物をまとめ、のどへ送り込むために欠かせない器官です。
舌の運動では、
- 前後・左右・上下への運動
- 頬を押す運動
- 上あごへ押しつける運動
などを行い、舌の筋力や動きの維持・改善を目指します。
ただし、嚥下障害の原因は人によって異なるため、
舌の運動が必要かどうか、どのような方法が適しているかは専門的な評価が必要です。
医師や言語聴覚士の指導を受けながら、自分に合ったリハビリを無理なく続けていきましょう。

