食事中に疲れてしまう原因とは?
「最近、食事の途中で疲れてしまいます。」
「食べ終わるころにはぐったりしています。」
「食事は体力を使うものなのでしょうか?」
食事は毎日当たり前に行っていることですが、実は口や舌、のど、あごなど多くの筋肉を使う活動です。
そのため、嚥下障害や筋力の低下があると、食事だけで大きな負担となり、「食べるだけで疲れる」という状態になることがあります。
食事中に疲れてしまう状態を放置すると、食事量が減り、低栄養や脱水につながることもあるため注意が必要です。
この記事では、食事中に疲れてしまう原因と対処法についてわかりやすく解説します。
食事は意外と体力を使う
食事では、
- 姿勢を保つ
- 食べ物を噛む
- 舌でまとめる
- 飲み込む
- 呼吸を調整する
という多くの動作を繰り返しています。
健康な人では意識することはありませんが、病気や加齢によって筋力が低下すると、これらの動作が大きな負担になります。
そのため、食事中に疲れやすくなることがあります。
嚥下障害があると疲れやすくなる理由
嚥下障害がある方は、一回の飲み込みに通常より多くの力を使っています。
例えば、
- 何度も飲み込み直す
- 食べ物を舌で何度も送り込む
- むせないように慎重に飲み込む
などの動作を繰り返します。
その結果、食事だけで多くのエネルギーを消費し、途中で疲れてしまうことがあります。
食事時間が長くなる
嚥下障害があると、一口ごとに時間がかかるため、食事時間が長くなります。
一般的には30分程度で終わる食事でも、
- 1時間以上かかる
- 途中で何度も休憩する
という方もいます。
長時間座って食べ続けるだけでも体力を消耗するため、食後に強い疲労感が残ることがあります。
全身の筋力や体力が低下している
高齢者や病気のある方では、全身の筋力や体力が低下していることがあります。
すると、
- 姿勢を保つだけでも疲れる
- あごや舌の筋肉も疲れやすい
- 咳をするだけでも体力を使う
ようになります。
食事中の疲労は、飲み込みだけでなく、全身状態の低下が影響していることも少なくありません。
神経筋疾患では疲れやすさが特徴になることも
重症筋無力症などの神経筋疾患では、筋肉を使い続けることで筋力が低下するため、
- 食べ始めは問題ない
- 食事の後半になると噛みにくい
- 飲み込みにくくなる
といった特徴があります。
このような場合は、病気に合わせた治療や食事の工夫が必要になります。
低栄養や脱水も悪循環をつくる
疲れるから食事量が減ると、
- 栄養不足
- 脱水
- 筋力低下
が進みます。
筋力が低下すると、さらに食事が大変になり、もっと疲れやすくなるという悪循環に陥ることがあります。
そのため、「疲れるから食べない」という状態を避けることが重要です。
このような症状があれば相談を
次のような症状が続く場合は、医療機関へ相談しましょう。
- 食事の途中で休憩しないと食べられない
- 食後にぐったりしてしまう
- 食事時間が1時間以上かかる
- むせることが増えた
- 食事量が減ってきた
- 体重が減少している
嚥下障害や全身状態の低下が隠れている可能性があります。
疲れにくくするための工夫
食事中の疲れを減らすためには、
- 食べやすい食形態にする
- 一口量を少なめにする
- 疲れやすい日は少量を数回に分けて食べる
- 体調のよい時間帯に食事をする
- 姿勢を整えて食べる
などが役立ちます。
また、嚥下リハビリや栄養管理によって改善が期待できる場合もあります。
家族ができるサポート
ご家族は、
- 食事時間が長くなっていないか
- 疲れて食べるのをやめていないか
- 食後の様子はどうか
などを観察してみましょう。
「食べるのが遅くなった」と思っていたら、実際には疲れて食べられなくなっていたということもあります。
本人のペースを大切にしながら、無理のない食事環境を整えることが大切です。
まとめ
食事中に疲れてしまう原因には、
- 嚥下障害
- 食事時間の延長
- 全身の筋力低下
- 神経筋疾患
- 低栄養や脱水
などがあります。
食事は想像以上に多くの筋肉を使う活動です。
「食べるだけで疲れる」という状態が続くと、食事量の減少や低栄養、嚥下機能のさらなる低下につながることがあります。
食事中の疲れが気になる場合は、一人で我慢せず、医師や言語聴覚士などへ相談し、その人に合った食事方法やリハビリについて検討することをおすすめします。

