食べ物が口の中に残るのはなぜ?
「食事の後、口の中に食べ物が残ってしまいます。」
「飲み込んだつもりなのに、あとから食べ物が出てきます。」
「これは嚥下障害なのでしょうか?」
食後に口の中へ食べ物が残ることは、高齢者や脳卒中などの病気がある方によくみられる症状です。
単に「食べ方の癖」と思われることもありますが、口の動きや飲み込みの機能が低下しているサインである可能性があります。
また、口の中に食べ物が残ると、誤嚥や虫歯、口腔内の細菌の増加につながることもあるため注意が必要です。
この記事では、食べ物が口の中に残る原因や受診の目安についてわかりやすく解説します。
食べ物が口の中に残るとは?
通常は、食べ物を噛いて唾液と混ぜた後、舌が食べ物をまとめてのどへ送り込みます。
しかし、この動きがうまくいかないと、
- 頬の内側
- 歯ぐきの周り
- 舌の下
- 上あご
などに食べ物が残ってしまいます。
本人が気づかないことも多く、ご家族や介護者が口の中を見て初めて気づく場合もあります。
舌の動きが弱くなっている
食べ物を飲み込むためには、舌が重要な役割を担っています。
舌は、
- 食べ物を集める
- 食べ物をまとめる
- のどへ送り込む
という働きをしています。
しかし、
- 脳卒中
- パーキンソン病
- 神経筋疾患
などでは舌の動きが弱くなり、食べ物を十分に送り込めなくなります。
その結果、口の中に食べ物が残ってしまいます。
頬の筋肉が弱くなっている
頬の筋肉には、食べ物を歯の上へ集める働きがあります。
筋力が低下すると、食べ物が頬の内側へ入り込み、そのまま残ってしまうことがあります。
特に脳卒中では、麻痺している側の頬に食べ物がたまりやすくなることがあります。
噛む力が低下している
食べ物を十分に噛めないと、大きな塊のまま口の中に残りやすくなります。
原因としては、
- 歯が少ない
- 入れ歯が合わない
- あごの筋力低下
などがあります。
噛みにくい状態が続くと、飲み込みにも影響します。
唾液が少ない
唾液には、食べ物をまとめる働きがあります。
しかし、
- 加齢
- 薬の副作用
- 放射線治療
- 脱水
などによって唾液が減ると、食べ物がまとまりにくくなります。
その結果、口の中へ食べ物が残りやすくなります。
認知症や高次脳機能障害の影響
認知症では、
- 食べ物を飲み込むタイミングがわからない
- 口の中にためたままになる
- 食べ物が残っていることに気づかない
ことがあります。
また、高次脳機能障害では注意力の低下などにより、食事がスムーズに進まないこともあります。
口の中に食べ物が残ると何が問題なの?
食べ物が口の中に残ると、
- 後から誤嚥する
- むせる
- 虫歯や歯周病の原因になる
- 細菌が増えやすくなる
- 誤嚥性肺炎のリスクが高まる
などの問題につながることがあります。
特に食後に横になると、残った食べ物や唾液を誤嚥しやすくなるため注意が必要です。
このような症状があれば受診を
次のような症状が続く場合は、医療機関へ相談しましょう。
- 毎回食べ物が口の中に残る
- むせることが増えた
- 食後に声がガラガラになる
- 食事に時間がかかる
- 体重が減ってきた
- 発熱を繰り返す
嚥下障害が関係している可能性があります。
家族ができること
ご家族は食後に口の中を確認してみましょう。
例えば、
- 頬の内側に食べ物が残っていないか
- 飲み込めているか
- 食後にうがいや口腔ケアができているか
などを確認することで、早めに異常へ気づくことができます。
また、口腔ケアを行い、口の中を清潔に保つことも大切です。
まとめ
食べ物が口の中に残る原因には、
- 舌の動きの低下
- 頬の筋力低下
- 噛む力の低下
- 唾液の減少
- 認知症や高次脳機能障害
などがあります。
口の中に食べ物が残る状態が続くと、誤嚥や誤嚥性肺炎、口腔内の細菌の増加などにつながることがあります。
「飲み込めていると思ったのに、口の中に食べ物が残っている」という状態が続く場合は、
早めに医療機関で飲み込みの評価を受けましょう。
原因に応じたリハビリや食事の工夫によって、安全に食事を続けられる可能性があります。

