構音障害の方を傷つけない聞き返し方は?
「何と言っているか分からないときは、聞き返してもいいのでしょうか?」
「何度も聞き返すと傷つけてしまいそうです。」
「上手な聞き返し方はありますか?」
構音障害のある方と会話をしていると、どうしても聞き取りにくいことがあります。
そんなとき、「聞き返したら申し訳ない」と思って分かったふりをしてしまう方も少なくありません。
しかし、聞き取れないまま会話を進めるよりも、相手を尊重しながら聞き返す方が、お互いに安心して会話を続けることができます。
この記事では、構音障害のある方へ聞き返すときのポイントを紹介します。
聞き返すことは悪いことではない
まず知っておいていただきたいのは、聞き返すこと自体は悪いことではありません。
構音障害では、話しにくさがあるため、
ご本人も「聞き取りにくいことがある」と理解している場合がほとんどです。
分かったふりをして誤解が生まれるよりも、丁寧に聞き返した方が、ご本人も安心できます。
「聞こえなかった」ことを素直に伝える
聞き返すときは、「何て言ったの?」よりも、
「ごめんね、少し聞き取れなかったから、もう一度お願いできる?」
と伝える方が柔らかい印象になります。
「あなたの話し方が悪い」という伝え方ではなく、
「私が聞き取れなかった」という伝え方を意識すると、ご本人も受け入れやすくなります。
全部ではなく、一部だけ確認する
話の一部だけ聞き取れなかった場合は、最初からすべて話し直してもらう必要はありません。
例えば、
「病院までは分かったけれど、その後が聞き取れなかったよ。」
「明日の予定の話かな?」
というように、聞き取れた部分を伝えると、ご本人も説明しやすくなります。
何度も繰り返させない工夫をする
同じことを何度も言い直してもらうと、ご本人は疲れてしまうことがあります。
聞き取れないときは、
- 少しゆっくり話してもらう
- 一文を短く区切ってもらう
- ジェスチャーや指差しを使ってもらう
など、別の方法を取り入れることも大切です。
急かさずに待つ
聞き返すと、ご本人は「早く言い直さなければ」と焦ってしまうことがあります。
しかし、焦ると発音がさらに不明瞭になることがあります。
聞き返した後も、急がせず、落ち着いて待つことが大切です。
静かな場所に移動することも大切
周囲が騒がしい場所では、どれだけ丁寧に話しても聞き取りにくいことがあります。
そのようなときは、静かな場所へ移動したり、テレビや音楽を消したりするだけで、
会話がスムーズになることがあります。
話し方を責めない
聞き返すときに、「もっとはっきり話して」「ちゃんと口を動かして」などと言ってしまうと、
ご本人は自信を失ってしまうことがあります。
構音障害は、努力不足ではなく病気による症状です。
話し方を責めるのではなく、「どうすれば伝わりやすくなるかな」と一緒に考える姿勢が大切です。
筆談やスマートフォンを活用する
何度聞き返しても伝わりにくい場合は、無理に話し続ける必要はありません。
メモやスマートフォンを使って文字で伝えたり、指差しやジェスチャーを使ったりすることも有効です。
「話すこと」だけにこだわらず、「伝えること」を大切にしましょう。
家族の優しい一言が安心につながる
聞き返した後に、「ありがとう、分かったよ。」「伝わったよ。」と伝えるだけで、
ご本人は安心して話すことができます。
聞き返すことよりも、その後の言葉や表情が、ご本人の安心感につながります。
まとめ
構音障害のある方へ聞き返すことは、決して悪いことではありません。
大切なのは、話し方を責めるのではなく、相手を尊重しながら丁寧に聞き返すことです。
聞き取れた部分を確認したり、静かな環境で話したり、必要に応じて筆談などを取り入れたりすることで、お互いに安心してコミュニケーションを続けることができます。
「聞き返さないこと」ではなく、「安心して聞き返せる関係」を築くことが、構音障害のある方への大きな支えになります。

