大きな声が出なくなるのはなぜ?
「以前のような大きな声が出せない」
「頑張っているのに声が小さいと言われる」
「遠くにいる人に声が届かない」
構音障害のある方の中には、このような悩みを抱えている方がいます。
大きな声が出なくなると、家族との会話だけでなく、電話や外出先でのコミュニケーションにも影響が出ることがあります。
では、なぜ大きな声が出しにくくなるのでしょうか。
この記事では、その理由について分かりやすく解説します。
声を大きくするために必要なこと
大きな声を出すためには、次の3つがうまく働く必要があります。
- 十分な息を吐くこと
- 声帯がしっかり振動すること
- のどや口をうまく使って声を響かせること
このどれかがうまく働かないと、声量が低下してしまいます。
呼吸する力が弱くなるため
声の大きさは、肺から送り出される息の量に大きく左右されます。
呼吸に関わる筋肉が弱くなると、
- 息を強く吐けない
- 声に勢いがなくなる
- 長く声を出せない
といった状態になります。
その結果、大きな声が出しにくくなります。
声帯の動きが弱くなるため
息だけでは声は出ません。
のどにある声帯がしっかり閉じて振動することで、力強い声が生まれます。
しかし、神経や筋肉の病気によって声帯の動きが弱くなると、
- 声量が低下する
- 息が漏れるような声になる
- 力のない声になる
ことがあります。
パーキンソン病では特に多い症状
パーキンソン病では、
体の動きが小さくなるのと同じように、声を出す動きも小さくなります。
そのため、ご本人は十分な大きさで話しているつもりでも、
周囲には小さな声に聞こえることがあります。
これはパーキンソン病に特徴的な症状の一つです。
ALSなどでもみられる
ALSでは、呼吸の筋肉や声帯を動かす筋肉が徐々に弱くなることがあります。
その結果、
- 声が弱くなる
- 長く話せない
- 大きな声が出せない
といった症状が現れます。
「頑張れば大きな声が出る」わけではない
ご家族は、「もっと大きな声で話して」と声をかけることがあるかもしれません。
しかし、構音障害では、本人が手を抜いているわけではありません。
神経や筋肉の働きが低下しているため、
頑張っても十分な声量が出せないことがあります。
大きな声が出ないと困ること
声量が低下すると、
- 聞き返される
- 電話で伝わりにくい
- 外出先で会話しにくい
- 人との交流が減る
といった困りごとにつながることがあります。
また、ご本人が会話に自信をなくしてしまうこともあります。
リハビリで改善することはある?
はい、原因によっては改善が期待できます。
言語聴覚士は、
- 呼吸
- 声の大きさ
- 声帯の働き
- 発声の方法
などを評価します。
その上で、
- 呼吸訓練
- 発声練習
- 音読練習
- 声量を意識する練習
などを行います。
特にパーキンソン病では、大きな声を意識して出す練習によって、聞き取りやすさが改善することがあります。
家族ができるサポート
ご本人に何度も「もっと大きな声で」と伝えるよりも、
まずは会話しやすい環境を整えることが大切です。
例えば、
- テレビを消す
- 静かな場所で話す
- 顔を見ながら会話する
といった工夫で、小さな声でも聞き取りやすくなります。
また、「少し声を大きくしてもらえると助かるよ」
と優しく伝えることで、ご本人の負担も少なくなります。
まとめ
大きな声が出なくなるのは、呼吸や声帯、話すための筋肉の働きが低下することが主な原因です。
特にパーキンソン病やALSでは、声量が低下しやすくなります。
大きな声が出せないのは、ご本人の努力不足ではありません。
リハビリや周囲の工夫によって、より伝わりやすいコミュニケーションを目指すことができます。

