抑揚のない話し方になるのはなぜ?
「感情が伝わりにくい話し方になった」
「一本調子で話しているように聞こえる」
「怒っているわけではないのに、冷たい印象を持たれてしまう」
構音障害のある方の中には、このような悩みを抱える方がいます。
抑揚が少なくなると、言葉の内容は正しくても、相手には単調で聞き取りにくい話し方に感じられることがあります。
では、なぜ抑揚がなくなってしまうのでしょうか。
この記事では、抑揚のない話し方になる理由について分かりやすく解説します。
抑揚とは?
抑揚とは、話すときの
- 声の高さ
- 声の大きさ
- 話す速さ
に変化をつけることです。
例えば、「今日は楽しかった!」
という言葉は、声の高さや強さが変化することで喜びが伝わります。
一方、抑揚が少なくなると、どの言葉も同じ調子で話すようになり、感情が伝わりにくくなります。
話すときには多くの調整が必要
抑揚をつけるためには、
- 呼吸
- 声帯
- のど
- 舌
- 唇
などが絶えず変化しながら働いています。
さらに、脳が
- 「ここは強く話そう」
- 「ここは少し高い声にしよう」
と細かく調整しています。
この調整が難しくなると、抑揚の少ない話し方になります。
パーキンソン病でよくみられる症状
抑揚のない話し方は、パーキンソン病でよくみられる症状の一つです。
パーキンソン病では、体の動きが小さくなるのと同じように、声の変化も小さくなります。
そのため、
- 声が小さい
- 高低差が少ない
- 一本調子になる
といった特徴が現れます。
声を調整する力が低下するため
神経や筋肉の病気では、声帯や呼吸を細かく調整することが難しくなります。
すると、
- 声の高さが変えにくい
- 声量の変化が少ない
- 同じリズムで話してしまう
ことがあります。
疲れるとさらに抑揚が少なくなることも
長時間話した後や疲れているときは、
話すための筋肉が疲労し、抑揚がさらに少なくなることがあります。
特に夕方になると、「朝より一本調子になっている」と感じる方もいます。
感情がなくなったわけではない
ご家族の中には、「以前より感情がなくなったように見える」と心配される方もいます。
しかし、抑揚が少ないからといって、感情まで失われているわけではありません。
喜びや悲しみを感じていても、声で表現することが難しくなっているだけの場合が多くあります。
日常生活で困ること
抑揚が少なくなると、
- 気持ちが伝わりにくい
- 誤解されやすい
- 会話が単調に聞こえる
- 電話で特に伝わりにくい
といった困りごとが生じます。
ご本人にとっても、「思ったように話せない」というストレスにつながることがあります。
リハビリで改善することはある?
はい、改善が期待できる場合があります。
言語聴覚士は、
- 声の高さ
- 声の大きさ
- 話すリズム
- 抑揚
などを評価します。
その上で、
- 音読練習
- 強弱をつけて話す練習
- 呼吸訓練
- 発声練習
などを行います。
特にパーキンソン病では、声を大きく出す練習によって抑揚が改善することがあります。
家族ができるサポート
抑揚が少なくても、「怒っているの?」「機嫌が悪いの?」
と決めつけないことが大切です。
ご本人の表情や言葉の内容も合わせて受け止めるようにしましょう。
また、焦らず最後まで話を聞くことで、安心して会話しやすくなります。
まとめ
抑揚のない話し方になるのは、呼吸や声帯を細かく調整する働きが低下することが主な原因です。
特にパーキンソン病では、声の高さや大きさの変化が少なくなり、一本調子の話し方になることがあります。
抑揚が少なくても、感情がなくなったわけではありません。
リハビリや周囲の理解によって、より伝わりやすい話し方を目指すことができます。

