退院後に家族が準備しておきたいこと
失語症のある方の退院が決まると、
「ようやく家に帰れる」
という安心感がある一方で、
「自宅で本当に大丈夫だろうか」
「何を準備しておけばいいのだろう」
という不安も出てきます。
退院後の生活をスムーズに始めるためには、事前の準備がとても大切です。
すべてを完璧に整える必要はありませんが、あらかじめ知っておくことで慌てずに対応しやすくなります。
この記事では、失語症の方の退院後に家族が準備しておきたいことについて解説します。
まずは現在の状態を確認する
退院前に確認しておきたいのが、ご本人の現在の状態です。
例えば、
・どの程度会話ができるのか
・理解はどのくらいできるのか
・文字の読み書きは可能か
・電話はできるか
などです。
同じ失語症でも症状は人によって異なります。
退院後の生活を考えるためにも、担当の言語聴覚士から具体的な説明を受けておきましょう。
家族が失語症について理解する
退院後は家族との会話が中心になります。
そのため、
・失語症とはどのような障害か
・どのような症状があるのか
・どのように接するとよいのか
を知っておくことが大切です。
病院で教わった内容をメモしたり、資料を保管したりしておくと役立ちます。
コミュニケーションしやすい環境を整える
自宅ではコミュニケーションの工夫が必要になることがあります。
例えば、
・テレビの音を小さくする
・静かな場所で話す
・メモ帳を用意する
・ホワイトボードを準備する
などです。
少しの工夫で会話しやすさが変わることがあります。
筆談や指差しの準備をしておく
言葉だけでは伝わりにくい場合があります。
そのため、
・メモ帳
・ホワイトボード
・写真
・カレンダー
などを準備しておくと便利です。
また、
「はい」
「いいえ」
を書いたカードを作っておくのもよい方法です。
退院後のリハビリを確認する
退院してもリハビリが終わるわけではありません。
退院前に、
・外来リハビリ
・訪問リハビリ
・通所リハビリ
などが利用できるか確認しておきましょう。
また、自宅で行う練習方法についても聞いておくと安心です。
緊急連絡先を整理しておく
退院後は、
「困ったときに誰へ相談するか」
を明確にしておくことが大切です。
例えば、
・病院
・かかりつけ医
・ケアマネジャー
・訪問看護
・リハビリ担当者
などの連絡先をまとめておきましょう。
いざというときに慌てずに済みます。
制度やサービスを確認する
退院後はさまざまな支援制度が利用できる場合があります。
例えば、
・介護保険サービス
・身体障害者手帳
・訪問リハビリ
・福祉サービス
などです。
利用できる制度は人によって異なります。
退院前にソーシャルワーカーやケアマネジャーへ相談しておくと安心です。
家族の役割を話し合う
退院後は家族の負担が増えることがあります。
そのため、
・誰が通院に付き添うか
・誰が手続きを担当するか
・誰が緊急時に対応するか
などを事前に話し合っておくとよいでしょう。
一人に負担が集中しないようにすることが大切です。
「完璧な生活」を目指さない
退院直後は、
「うまくやらなければ」
という気持ちが強くなりがちです。
しかし、新しい生活には慣れる時間が必要です。
最初から完璧を目指す必要はありません。
困ったことがあれば、その都度調整していけば大丈夫です。
家族自身の準備も大切
退院後はご本人だけでなく、家族の生活も変化します。
そのため、
・休息時間を確保する
・相談相手を作る
・無理をしすぎない
ことも大切です。
家族が疲れ切ってしまうと、長く支えることが難しくなります。
まとめ
失語症の方の退院後に家族が準備しておきたいことには、
・現在の状態を理解する
・失語症について学ぶ
・コミュニケーション環境を整える
・リハビリの継続方法を確認する
・制度やサービスを調べる
・家族の役割を話し合う
などがあります。
退院は新しい生活のスタートです。
すべてを一人で抱え込む必要はありません。
医療・介護の専門職や利用できるサービスを活用しながら、ご本人と家族が安心して生活できる環境を少しずつ整えていきましょう。

