失語症の方が一人で留守番する際の注意点
失語症のある方が退院し、自宅での生活が始まると、
「一人で留守番できるだろうか」
「何かあったときに対応できるだろうか」
と心配になるご家族も多いでしょう。
失語症があるからといって、必ずしも一人で留守番ができないわけではありません。
実際には、一人で安全に過ごせる方もたくさんいます。
ただし、失語症によるコミュニケーションの困難さがあるため、事前の準備や確認が大切です。
この記事では、失語症の方が一人で留守番をする際に気をつけたいポイントについて解説します。
まずは現在の状態を確認する
一人で留守番できるかどうかは、失語症の重症度だけで決まるものではありません。
例えば、
・会話の理解がどの程度できるか
・電話対応が可能か
・緊急時に助けを求められるか
・認知機能に問題がないか
なども重要です。
また、麻痺や高次脳機能障害を併発している場合は、その影響も考慮する必要があります。
まずは担当の医師や言語聴覚士と相談しながら判断しましょう。
短時間から始める
最初から長時間の留守番をする必要はありません。
例えば、
・10分
・30分
・1時間
など、短時間から試してみるのがおすすめです。
問題なく過ごせることを確認しながら、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
ご本人にとっても家族にとっても安心につながります。
緊急連絡先を分かりやすくしておく
何かあったときに連絡できるよう、
・家族の電話番号
・近所の親族
・かかりつけ医
・訪問看護師
などの連絡先を見やすい場所に置いておきましょう。
電話が難しい方の場合は、
・LINE
・ワンタッチ通話
・緊急連絡ボタン
などを活用する方法もあります。
失語症があることを伝えるカードを準備する
万が一外出してしまった場合や、誰かとやり取りが必要になった場合に備えて、
「失語症があります」
「話すことが難しいことがあります」
と書かれたカードを持っておくと安心です。
連絡先も記載しておくと、周囲が対応しやすくなります。
電話対応の方法を決めておく
失語症の方の中には電話が苦手な方もいます。
その場合、
・電話に出なくてもよい
・留守番電話を利用する
・家族へ転送する
などのルールを決めておくと安心です。
無理に電話へ対応しようとして混乱することを防げます。
火や電気の使用を確認する
留守番中の安全面も重要です。
例えば、
・ガスコンロ
・ストーブ
・アイロン
などの使用状況を確認しましょう。
必要に応じて、
・IH調理器を使う
・自動消火機能を利用する
などの工夫も有効です。
一日の流れを見える化する
失語症の方の中には、
予定が分かりにくいと不安になる方もいます。
そのため、
・今日の日付
・家族の帰宅時間
・予定
などを書いたメモを置いておくと安心です。
ホワイトボードやカレンダーも役立ちます。
食事や飲み物を準備しておく
留守番中に困らないよう、
・昼食
・飲み物
・薬
などを事前に準備しておきましょう。
「何をすればよいか」が分かるだけでも安心感につながります。
本人が不安を感じていないか確認する
家族が大丈夫だと思っていても、ご本人は不安を感じていることがあります。
例えば、
「一人は心配ですか?」
「困ることはありますか?」
と確認してみましょう。
本人の気持ちを聞きながら進めることが大切です。
留守番ができることは自信につながる
失語症になると、
「何もできなくなった」
と感じてしまう方もいます。
しかし、一人で留守番ができることは大きな成功体験になります。
安全に配慮しながら、
「自分でできた」
という経験を積み重ねることが、自信や自立につながります。
まとめ
失語症の方が一人で留守番をするときは、
・現在の状態を確認する
・短時間から始める
・緊急連絡先を準備する
・電話対応を決めておく
・火や電気の安全を確認する
・予定を見える化する
・本人の不安に配慮する
ことが大切です。
失語症があっても、一人で過ごせる方はたくさんいます。
大切なのは無理をすることではなく、安全に過ごせる環境を整えることです。
ご本人の力を活かしながら、少しずつ自信を積み重ねていきましょう。

