失語症で人の話が理解できなくなることはある?
失語症というと、
「言葉が出なくなる病気」
というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、人の話を理解することが難しくなる場合もあります。
ご本人からは、
「相手が何を言っているのか分からない」
「聞こえているのに意味が分からない」
という訴えが聞かれることがあります。
また、ご家族からも、
「耳は聞こえているのに話が通じない」
「何度説明しても理解できないように見える」
という相談を受けることがあります。
この記事では、失語症で人の話が理解できなくなる理由についてわかりやすく解説します。
失語症では理解の障害も起こる
失語症は、
- 話す
- 聞く
- 読む
- 書く
といった言語機能の障害です。
そのため、「話せないだけ」ではなく、
「理解することが難しい」症状が現れることもあります。
特にウェルニッケ失語では、理解の障害が目立つことがあります。
耳の問題ではない
失語症で話が理解できない場合、
耳が聞こえなくなったわけではありません。
例えば、
「今日は天気が良いですね」
という言葉は聞こえています。
しかし、言葉の意味を処理する脳の働きが障害されているため、意味として理解することが難しくなります。
聞こえるけれど意味が分からない
失語症の方は、
音としては聞こえている
ことが多くあります。
しかし、
- 言葉の意味が分からない
- 文章の内容が理解できない
- 会話についていけない
ことがあります。
例えるなら、
外国語を聞いているような状態に近いことがあります。
音は聞こえるものの、意味がつかめません。
長い説明ほど理解しにくい
理解障害がある場合、長い説明になるほど難しくなります。
例えば、
「今日は病院へ行ったあとにスーパーへ寄って、それから薬局で薬を受け取って帰りましょう」
という説明は理解が難しいことがあります。
一方で、「病院へ行きます」のような短い文なら理解できることもあります。
会話がかみ合わなくなることがある
話の理解が難しくなると、
質問と違う答えをしたり、
会話の流れについていけなくなったりすることがあります。
例えば、
「朝ご飯は何を食べましたか?」
と聞かれているのに、
「今日は暑いですね」
と答えてしまうことがあります。
これは理解の障害によるものであり、わざとではありません。
ウェルニッケ失語でよくみられる
理解障害は、ウェルニッケ失語でよくみられる症状です。
ウェルニッケ失語では、
- 相手の話を理解しにくい
- 言い間違いが多い
- 流暢に話す
という特徴があります。
一見すると普通に会話しているように見えても、内容がかみ合わないことがあります。
理解できないことに気づきにくい場合もある
理解障害がある方の中には、
自分が理解できていないことに気づきにくい
場合があります。
そのため、
- 話が伝わっていると思っている
- 会話が成立していると思っている
ことがあります。
これはご本人の努力不足ではなく、失語症の症状の一つです。
家族ができる工夫
理解しやすくするためには、
- ゆっくり話す
- 短い文で話す
- 一度に一つの内容を伝える
ことが大切です。
例えば、
「ご飯を食べて薬を飲んでから歯を磨いてください」
ではなく、
「ご飯を食べましょう」
「次に薬を飲みましょう」
と分けて伝える方が理解しやすくなります。
言葉以外の情報も活用する
失語症の方は、
- ジェスチャー
- 指差し
- 写真
- 絵
- 実物
などがあると理解しやすくなることがあります。
言葉だけで伝えようとせず、視覚的な情報を活用することも大切です。
リハビリで改善する可能性がある
理解障害に対しては、
- 単語理解訓練
- 聴理解訓練
- 指示理解訓練
- 読解訓練
などが行われます。
適切なリハビリによって理解力が改善することもあります。
まとめ
失語症では、人の話を理解することが難しくなる場合があります。
これは耳の問題ではなく、脳の言語中枢が障害されることで起こります。
特にウェルニッケ失語では理解障害が目立つことがあります。
ご家族は、
- ゆっくり話す
- 短い文で伝える
- ジェスチャーを活用する
ことを意識すると、コミュニケーションが取りやすくなります。
理解できないからといって何も分からなくなったわけではありません。焦らず、その方に合った方法で関わることが大切です。

