失語症の回復過程とは?
失語症と診断されたご本人やご家族にとって、
「これからどのように回復していくのだろう?」
「いつ頃まで改善するのだろう?」
ということは大きな関心事ではないでしょうか。
失語症の回復には個人差がありますが、多くの場合、ある程度共通した経過をたどります。
この記事では、失語症の回復過程についてわかりやすく解説します。
回復には個人差がある
まず知っておきたいのは、失語症の回復スピードや回復の程度は人によって大きく異なるということです。
回復には、
- 脳損傷の部位
- 損傷の大きさ
- 年齢
- 失語症の種類
- リハビリの量
などが影響します。
そのため、「〇か月で治る」と一概に言うことはできません。
発症直後(急性期)
脳卒中後から数週間程度の時期を急性期と呼びます。
この時期は、
- 意識障害
- 全身状態の不安定さ
- 疲れやすさ
などがみられることがあります。
失語症も重く見えることが多く、
- 言葉がほとんど出ない
- 指示が理解できない
状態になることもあります。
しかし、この時期は脳のむくみなどの影響もあるため、症状だけで将来の回復を判断することはできません。
発症後1〜6か月(回復期)
回復が最も大きく進みやすい時期です。
脳の状態が安定し、
- 自然回復
- リハビリの効果
が重なることで改善がみられます。
例えば、
- 単語が出るようになる
- 短い会話ができるようになる
- 読み書きが少しできるようになる
といった変化がみられます。
回復期リハビリテーション病院で集中的な訓練が行われるのもこの時期です。
発症後6か月〜1年(維持・発展期)
以前は、
「1年経つと改善しない」
と言われることもありました。
しかし現在では、
発症後6か月を過ぎても改善は続く
ことが分かっています。
この時期は急激な改善ではなく、
- 会話がスムーズになる
- 言葉を思い出しやすくなる
- 日常生活で困る場面が減る
といった変化がみられることがあります。
発症後1年以上(生活期)
生活期になると、
- 自宅生活
- 社会参加
- 趣味活動
などが中心になります。
この時期でも、
- 会話練習
- 音読練習
- 読み書き訓練
などを続けることで改善がみられることがあります。
特に近年では、
発症から数年経過しても回復の可能性がある
ことが知られています。
回復は一直線ではない
失語症の回復は、
右肩上がりに進むわけではありません。
例えば、
- よく話せる日
- 言葉が出にくい日
があります。
また、
- 疲労
- 睡眠不足
- 体調不良
によって一時的に症状が悪く見えることもあります。
そのため、一喜一憂しすぎないことが大切です。
回復の目標は人それぞれ
回復の目標は人によって異なります。
例えば、
Aさん
- 家族と会話したい
Bさん
- 電話ができるようになりたい
Cさん
- 仕事に復帰したい
それぞれ目指すゴールは異なります。
失語症リハビリでは、その人らしい生活を取り戻すことが大切です。
家族ができるサポート
失語症の回復を支えるためには、ご家族の関わりも重要です。
例えば、
- 会話の機会を作る
- 焦らず待つ
- 小さな成長を認める
ことが大切です。
反対に、
- 急かす
- 間違いを責める
- 話す機会を奪う
ことは避けましょう。
回復を支えるリハビリ
回復を支えるためには継続的なリハビリが重要です。
例えば、
- 呼称訓練
- 音読練習
- 復唱訓練
- 読解訓練
- 書字訓練
などが行われます。
また、家族や友人との会話も大切なリハビリになります。
まとめ
失語症の回復は、
- 急性期
- 回復期
- 生活期
という流れで進むことが一般的です。
特に発症後数か月は大きな改善が期待できますが、その後も回復が続く可能性があります。
回復のスピードには個人差がありますが、適切なリハビリと周囲の支援によって、できることを少しずつ増やしていくことが大切です。

