家族が知っておきたい失語症の特徴
ご家族が失語症と診断されたとき、
「何ができなくなるの?」
「どう接すればいいの?」
「以前と同じように話せるようになるの?」
と不安になる方は少なくありません。
失語症は言葉に関する障害ですが、その症状や現れ方は人によって大きく異なります。
また、見た目では分かりにくいため、周囲に誤解されることも少なくありません。
失語症の特徴を正しく理解することは、ご本人とのコミュニケーションや日常生活を支えるうえでとても大切です。
この記事では、ご家族にぜひ知っておいていただきたい失語症の特徴について解説します。
言葉の障害であって知能の障害ではない
まず知っていただきたいのは、失語症は「言葉の障害」であるということです。
話すことや理解することが難しくなっても、
・考える力
・感情
・人格
・人生経験
が失われたわけではありません。
言葉が出ないからといって何も分かっていないわけではなく、会話の内容を理解していることも多くあります。
そのため、子ども扱いしたり、本人を抜きにして話を進めたりすることは避けたいところです。
症状には大きな個人差がある
失語症と一言でいっても、症状はさまざまです。
例えば、
・話すのが苦手な人
・聞くことが苦手な人
・読むことが苦手な人
・書くことが苦手な人
など、人によって困る場面が異なります。
また、
「会話はできるけれど文字が書けない」
という方もいれば、
「単語は言えるけれど長い会話は難しい」
という方もいます。
他の失語症の方と比べるのではなく、その人自身の特徴を理解することが大切です。
調子に波があることがある
失語症の方は、日によって話しやすさが変わることがあります。
さらに、
・疲れているとき
・体調が悪いとき
・緊張しているとき
などは言葉が出にくくなることがあります。
昨日できたことが今日はできないこともあります。
逆に、普段は難しいことが自然にできる日もあります。
そのため、一回うまくいかなかっただけで
「できなくなった」
と判断しないことが大切です。
焦るとさらに言葉が出なくなる
失語症の方は言葉を探すのに時間がかかることがあります。
周囲が急かしたり、
「早く言って」
と言ったりすると、さらに緊張して言葉が出なくなることがあります。
本人は一生懸命考えています。
会話の中で少し沈黙があっても、待つことが大切です。
会話が難しくても気持ちはある
失語症になると、自分の思いを十分に伝えられなくなります。
しかし、
・嬉しい
・悲しい
・悔しい
・感謝している
といった気持ちは変わりません。
会話が少なくなったからといって、感情まで失われたわけではないのです。
表情やしぐさなどにも目を向けることで、本人の気持ちが分かることがあります。
外見からは分かりにくい
失語症は見た目では分かりにくい障害です。
歩ける方も多く、身体的な麻痺が軽い場合は周囲から気づかれないこともあります。
そのため、
「普通に見えるのにどうして話せないの?」
と誤解されることがあります。
ご家族自身が失語症について理解しておくことで、周囲へ説明しやすくなる場合もあります。
回復には時間がかかる
失語症の回復には個人差があります。
数か月で大きく改善する方もいれば、何年もかけて少しずつ回復する方もいます。
発症から時間が経っていても改善がみられることは珍しくありません。
そのため、
「もう治らない」
と決めつける必要はありません。
焦らず、長い目で見守ることが大切です。
家族の関わり方が大きな支えになる
失語症の回復にはリハビリだけでなく、日常生活でのコミュニケーションも重要です。
家族が、
・話を最後まで聞く
・急かさない
・できたことを認める
・本人を尊重する
ことは、大きな支えになります。
特別な技術が必要なのではなく、安心して会話できる環境を作ることが大切です。
まとめ
失語症には、
・知能の障害ではない
・症状に個人差がある
・調子に波がある
・焦ると言葉が出にくくなる
・感情や思いは失われていない
・外見では分かりにくい
・回復には時間がかかる
といった特徴があります。
これらを理解することで、ご本人の行動や反応をより深く理解できるようになります。
失語症の方にとって、家族の理解は何より心強い支えです。まずは病気の特徴を知り、
その人らしさを大切にしながら関わっていくことが大切です。

