復唱訓練とは?聞いた言葉を繰り返す練習
失語症のリハビリでは、「私の後に続いて言ってください」という練習を行うことがあります。
例えば、
- 「りんご」
- 「おはようございます」
- 「今日は天気が良いですね」
など、聞いた言葉をそのまま繰り返します。
このような訓練を復唱訓練(ふくしょうくんれん)と呼びます。
一見すると単純な練習に見えますが、失語症リハビリではとても重要な訓練の一つです。
この記事では、復唱訓練の目的や方法についてわかりやすく解説します。
復唱訓練とは?
復唱訓練とは、相手が話した言葉を聞いて、そのまま繰り返す練習です。
例えば、訓練者が「りんご」と言ったら、
ご本人も「りんご」と言います。
単語だけでなく、
- 短文
- あいさつ
- 会話文
などを用いることもあります。
なぜ復唱訓練をするの?
私たちは普段、聞いた言葉を脳の中で処理して発音しています。
例えば、「おはようございます」と聞くと、
- 音を聞く
- 言葉として認識する
- 発音する
という作業を瞬時に行っています。
失語症では、この流れがうまくいかなくなることがあります。
復唱訓練は、言葉の音と発話を結び付ける練習として行われます。
失語症では復唱が難しくなることがある
失語症の方の中には、聞いた言葉をそのまま繰り返すことが難しい場合があります。
例えば、「りんご」と聞いても、
- 言葉が出ない
- 別の言葉になる
- 音が入れ替わる
ことがあります。
特に伝導失語では復唱障害が特徴的です。
復唱訓練の基本的な流れ
まずは簡単な単語から始めます。
例えば、
- いぬ
- ねこ
- りんご
などです。
その後、
- 二語文
- 短文
- 長い文章
へと段階的に進めていきます。
音を正しく出す練習になる
復唱訓練は、発音の練習にもなります。
例えば、
- 音が抜ける
- 音が入れ替わる
- 発音が不明瞭
といった症状がある場合、正しい音を繰り返し練習することで改善につながることがあります。
言葉を思い出すきっかけになる
失語症では、自分から言葉を出すことが難しくても、
聞いた言葉なら言えることがあります。
例えば、絵を見ても「りんご」が出ない方でも、
「りんご」と聞けば復唱できることがあります。
この力を利用して言葉の回復を促します。
会話の基礎を作る訓練
会話では、相手の話を聞き、自分が話すという流れが必要です。
復唱訓練は、聞く力と話す力の両方を使うため、
会話能力の基礎づくりにも役立ちます。
自宅でもできる?
復唱訓練は家庭でも行いやすい訓練です。
例えば、家族が
「コップ」
「テレビ」
「おはよう」
などの言葉を言い、それを繰り返してもらいます。
無理のない範囲で短時間行うだけでも練習になります。
家族が気をつけたいこと
復唱訓練では、
- ゆっくり話す
- はっきり発音する
- 成功体験を増やす
ことが大切です。
間違えたときも責めるのではなく、「もう一度やってみましょう」と声をかけることが重要です。
復唱訓練だけで回復するわけではない
失語症リハビリでは、復唱訓練だけでなく、
- 呼称訓練
- 音読訓練
- 聴理解訓練
- 会話訓練
なども組み合わせて行います。
復唱訓練はその中の重要な一つです。
まとめ
復唱訓練とは、聞いた言葉をそのまま繰り返す練習です。
失語症では、
- 言葉の音を認識する力
- 発音する力
- 言葉を取り出す力
を高める目的で行われます。
単純な練習に見えますが、言葉の回復を支える大切な訓練です。
焦らず繰り返し取り組むことで、会話能力の改善につながることが期待できます。

