呼称訓練とは?言葉を思い出す練習
失語症になると、
「物の名前が出てこない」
「知っているのに言葉が思い出せない」
「喉まで出かかっているのに言えない」
という症状がみられることがあります。
このような症状を改善するために行われる代表的なリハビリが、呼称訓練(こしょうくんれん)です。
呼称訓練は失語症リハビリの中でも最もよく行われる訓練の一つです。
この記事では、呼称訓練の目的や方法についてわかりやすく解説します。
呼称訓練とは?
呼称訓練とは、見たものの名前を思い出して言う練習のことです。
例えば、
- コップ
- 時計
- りんご
- 犬
などの絵や写真を見て、その名前を言います。
失語症では、物の意味は分かっているのに名前だけが出てこないことがあります。
呼称訓練は、その「言葉を取り出す力」を高めるための訓練です。
なぜ呼称訓練が必要なの?
私たちは普段、物を見た瞬間に名前を思い出しています。
例えば、りんごを見ると、
- 果物である
- 赤い
- 食べられる
という情報と同時に、「りんご」という言葉を瞬時に取り出しています。
失語症では、この言葉を取り出す過程がうまくいかなくなることがあります。
そのため、言葉を探し出す練習が必要になります。
呼称障害とは?
名前が出てこない症状を、呼称障害(こしょうしょうがい)と呼びます。
例えば、コップを見て、「飲み物を入れるもの」「水を飲むときに使うやつ」
と説明できるのに、「コップ」という名前だけが出てこない状態です。
呼称訓練は、この呼称障害に対して行われます。
呼称訓練の基本的な方法
最も基本的な方法は、絵カードを見て名前を言う練習です。
例えば、りんごの絵を見て、「りんご」と答えます。
難しければヒントを使いながら進めます。
ヒントを使うこともある
言葉が出ない場合には、さまざまなヒントを使います。
語頭音ヒント
「りんご」なら、「り……」と最初の音を伝えます。
意味ヒント
「赤い果物です」など特徴を伝えます。
選択肢提示
複数の候補から選んでもらいます。
こうしたヒントによって言葉を思い出しやすくなります。
呼称訓練の効果
呼称訓練を続けることで、
- 言葉が出やすくなる
- 会話がしやすくなる
- 自信がつく
ことがあります。
また、普段の生活で言葉を探す時間が短くなることも期待できます。
どんな人に行うの?
呼称訓練は、
- 健忘失語
- ブローカ失語
- 伝導失語
など、呼称障害がある方によく行われます。
特に健忘失語では中心的な訓練になることがあります。
自宅でもできる?
呼称訓練は自宅でも行えます。
例えば、
- 絵カード
- 写真
- 家の中にある物
を使う方法があります。
家族が物を指して、「これは何ですか?」と質問するだけでも練習になります。
家族が気をつけたいこと
呼称訓練では、すぐ答えを言わないことが大切です。
言葉を探す時間を与えることで、
脳が言葉を取り出す練習になります。
ただし、長く困っている場合は適度にヒントを出すことも重要です。
呼称訓練だけではない
失語症リハビリでは、
呼称訓練だけでなく、
- 会話訓練
- 聴理解訓練
- 音読訓練
- 読解訓練
なども行います。
呼称訓練はその一部ですが、日常会話に直結する重要な訓練です。
まとめ
呼称訓練とは、物や人の名前を思い出して言う練習です。
失語症による呼称障害に対して行われ、
- 絵カード
- 写真
- ヒント提示
などを使いながら進めます。
言葉を思い出す力を高めることで、日常会話がしやすくなることが期待できます。
焦らず繰り返し練習することが、言葉の回復につながります。

