話せるのに書けない?失語症の症状の個人差
失語症というと、「話せなくなる病気」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、
- 会話はできるのに文字が書けない
- 話すのは苦手だが読むことはできる
- 聞くことは理解できるが話せない
など、人によって症状は大きく異なります。
そのため、
「話せるから失語症ではない」
「書けないのは努力不足では?」
と誤解されることもあります。
この記事では、失語症の症状の個人差についてわかりやすく解説します。
失語症は一人ひとり違う
失語症は、
- 話す
- 聞く
- 読む
- 書く
といった言語機能の障害です。
しかし、これらの能力がすべて同じように障害されるわけではありません。
例えば、ある人は会話が難しくなり、別の人は書字だけが大きく障害されることがあります。
そのため、同じ「失語症」でも症状は一人ひとり異なります。
話せるのに書けないことはある
失語症では、会話は比較的できるのに文字を書くことが難しい場合があります。
例えば、「今日は病院へ行きました」と口頭では言えるのに、
同じ文章を紙に書こうとすると書けないことがあります。
これは、話す力と書く力が別の脳のネットワークによって支えられているためです。
なぜ書く方が難しいの?
文字を書くためには、
- 言葉を思い出す
- 漢字を思い出す
- 文章を組み立てる
- 手を動かす
必要があります。
会話よりも多くの処理が必要なため、書字の方が難しくなることがあります。
書けるのに話せないこともある
反対に、話すことは難しいが書くことはできる方もいます。
例えば、言葉がなかなか出てこない方でも、紙に書くと自分の考えを表現できることがあります。
この場合、筆談が重要なコミュニケーション手段になります。
読めるのに理解できないこともある
失語症では、文字を読むことはできても、内容が理解できないことがあります。
例えば、新聞の記事を音読できても、何が書いてあったか説明できないことがあります。
これは読解の障害によるものです。
理解はできるのに話せないこともある
ブローカ失語などでは、相手の話は理解できる場合があります。
しかし、自分の言葉として表現することが難しくなります。
そのため、「分かっているのに言えない」という強いもどかしさを感じることがあります。
症状が異なる理由
失語症の症状が人によって違うのは、脳の障害された場所や範囲が異なるためです。
例えば、
- ブローカ野
- ウェルニッケ野
- その周辺の神経回路
など、どこが障害されたかによって症状が変わります。
同じ人でも得意・不得意がある
失語症では、同じ人の中でも得意なことと苦手なことがあります。
例えば、
- 会話はできる
- 電話は苦手
あるいは、
- 単語は読める
- 長文は難しい
ということがあります。
そのため、できない部分だけを見るのではなく、できる能力を活かす視点が大切です。
個人差があるからこそ評価が重要
失語症のリハビリでは、一人ひとりの能力を詳しく評価します。
例えば、
- 話す力
- 理解する力
- 読む力
- 書く力
を確認し、その人に合った訓練を考えます。
同じ訓練が全員に合うわけではありません。
家族が知っておきたいこと
ご家族は、
「話せるから大丈夫」
「書けないのはやる気の問題」
と考えないことが大切です。
失語症では、できることとできないことの差が大きいことがあります。
その特徴を理解することで、より適切な支援につながります。
まとめ
失語症の症状には大きな個人差があります。
例えば、
- 話せるのに書けない
- 書けるのに話せない
- 読めるのに理解できない
- 理解できるのに話せない
といったことが起こります。
これは脳の障害部位や程度によって異なるためです。
失語症を理解するときは、「何ができないか」だけでなく、「何ができるか」にも目を向けることが大切です。

