幼児の吃音と発達性非流暢性の違い

幼児には「どもり」のように聞こえる話し方がみられることがあります

2〜5歳頃の子どもは、言葉が急速に発達する時期です。

この頃、

  • 「あのね、あのね…」
  • 「えっと、えっと…」
  • 「ぼくはね、そのね…」

のように、話し方がぎこちなくなることがあります。

保護者の中には、「吃音が始まったのでは?」と心配される方も少なくありません。

しかし、この時期には発達性非流暢性(はったつせいひりゅうちょうせい)と呼ばれる、成長の過程でみられる自然な話し方の乱れが現れることがあります。

発達性非流暢性と吃音は似ていますが、特徴が異なります。


発達性非流暢性とは?

発達性非流暢性とは、幼児期の言葉の発達に伴ってみられる一時的な話し方の乱れです。

言葉を覚えるスピードが速く、

  • 話したいことがたくさんある
  • 言葉を選びながら話している

ために起こると考えられています。

多くの場合は自然に改善し、病気や障害ではありません。


発達性非流暢性でよくみられる話し方

発達性非流暢性では、

  • 「えーっと」
  • 「あのね」
  • 「それでね」

などの言い直しや言葉のつなぎが増えます。

また、

  • 文の途中で言い直す
  • 言葉を探しながら話す
  • 話の順番を考えながら話す

こともよくあります。

話す内容が先に進んでいる一方で、言葉が追いついていない状態ともいえます。


吃音ではどんな症状がみられる?

一方、吃音では、

  • 「ぼ、ぼ、ぼく」
  • 「さーーーかな」
  • 「……こんにちは」

のような、

  • 繰り返し
  • 引き伸ばし
  • 詰まり

といった中核症状がみられます。

また、

  • 話すことを嫌がる
  • 話す前に緊張する
  • 顔や首に力が入る(随伴症状)

などがみられることもあります。


発達性非流暢性と吃音の違い

両者には次のような違いがあります。

発達性非流暢性吃音
言葉や文を言い直すことが多い音や音節を繰り返すことが多い
「えーっと」「あのね」が増える「ぼ、ぼ、ぼく」のような繰り返しがみられる
話すことをあまり気にしていない話しにくさを感じることがある
随伴症状はほとんどない顔や首の動きがみられることがある
多くは自然に改善する続く場合は専門的な支援が必要になることがある

ただし、実際には両者をはっきり区別することが難しい場合もあります。


最初は見分けることが難しいこともある

吃音が始まったばかりの頃は、発達性非流暢性との区別が難しいことがあります。

そのため、

  • 症状の変化
  • 出現する頻度
  • 話し方の特徴

などを一定期間観察しながら判断することがあります。

心配だからといって、すぐに「吃音」と決めつける必要はありません。


気になるときは早めに相談を

次のような場合は、一度専門家へ相談することをおすすめします。

  • 音を何度も繰り返す
  • 言葉が詰まって出にくい
  • 引き伸ばしが目立つ
  • 話すことを嫌がる
  • 半年以上症状が続いている
  • 保護者が強い不安を感じている

相談したからといって、必ず治療が始まるわけではありません。

現在の状態を確認し、家庭での関わり方についてアドバイスを受けるだけでも安心につながります。


保護者が慌てる必要はありません

子どもの話し方が気になると、「すぐに治さなければ」と思うかもしれません。

しかし、

  • 「ゆっくり話して」
  • 「もう一回言ってごらん」

と何度も注意すると、かえって話すことを意識しすぎてしまうことがあります。

まずは最後まで話を聞き、安心して話せる環境をつくることが大切です。


まとめ

幼児期には、言葉の発達に伴って一時的な話し方の乱れである「発達性非流暢性」がみられることがあります。

一方、吃音では音の繰り返しや引き伸ばし、詰まりなどの特徴的な症状が現れます。

初期には両者の区別が難しいこともありますが、症状の経過や日常生活への影響を総合的に判断します。

気になる場合は、一人で悩まず、言語聴覚士などの専門家へ相談することが大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です