高次脳機能障害のリハビリはいつまで続ければいい?

脳卒中や頭部外傷の後、高次脳機能障害と診断されると、

  • 「リハビリはいつから始めればいいの?」
  • 「まだ安静にしていた方がいいのでは?」
  • 「発症から時間がたってしまったけれど、今からでも遅くない?」

と疑問に思う方は少なくありません。

結論からお伝えすると、高次脳機能障害のリハビリは、全身状態が安定し、医師の判断のもとで開始できるようになったら、

できるだけ早く始めることが大切です。

また、発症から時間がたっていても、リハビリによって生活しやすくなる可能性があります。

この記事では、高次脳機能障害のリハビリを始めるタイミングについてわかりやすく解説します。

リハビリは早期開始が基本

脳卒中や頭部外傷では、以前は長期間安静にすることもありました。

しかし現在では、全身状態が安定していれば、できるだけ早くリハビリを始めることが推奨されています。

これは高次脳機能障害のリハビリも同じです。

早い段階から適切な支援を行うことで、

  • 脳の回復を促しやすくなる
  • 日常生活の能力を維持・向上しやすくなる
  • 退院後の生活につながりやすくなる

と考えられています。

なぜ早く始めることが大切なの?

脳は回復する力を持っている

脳は損傷を受けても、残っている神経細胞が新しいネットワークを作ることで、機能を補おうとします。

この働きを脳の可塑性(かそせい)といいます。

リハビリでは、この脳の回復する力を引き出すことを目指します。

適切な刺激を繰り返すことで、残された脳の働きを活用しやすくなると考えられています。

生活の中で困りごとが増えるのを防ぐ

リハビリを行わずに過ごしていると、

  • 間違った方法が習慣になる
  • 活動量が減る
  • 自信を失う

といったことが起こる場合があります。

早い段階から支援を受けることで、生活上の困りごとを減らしやすくなります。

急性期・回復期・生活期でリハビリは続く

高次脳機能障害のリハビリは、一つの時期だけで終わるものではありません。

急性期

発症直後の時期です。

まずは全身状態を安定させながら、

  • 症状の評価
  • 基本的なリハビリ

が始まります。

回復期

体調が安定してくると、本格的なリハビリが行われます。

記憶や注意、遂行機能など、一人ひとりの症状に合わせた訓練が増えていきます。

生活期

退院後も必要に応じて、

  • 外来リハビリ
  • 通所リハビリ
  • 訪問リハビリ
  • 自宅での自主練習

などを続けます。

生活の中で困りごとを減らすことが中心になります。

発症から時間がたっていても遅くない

「もう何年もたっているからリハビリは意味がない」と思われることがあります。

しかし、そのようなことはありません。

確かに発症後数か月は回復が大きくみられやすい時期ですが、それ以降も、

  • 新しい生活の工夫を身につける
  • 代償手段を活用する
  • 苦手なことへの対処法を学ぶ

ことによって、生活しやすくなる可能性があります。

実際に、発症から数年後にリハビリを再開し、「以前より生活しやすくなった」と感じる方もいます。

リハビリは症状に合わせて行われる

高次脳機能障害にはさまざまな症状があります。

例えば、

  • 記憶障害
  • 注意障害
  • 遂行機能障害
  • 半側空間無視
  • 社会的行動障害

などです。

そのため、リハビリの開始時期や内容は一人ひとり異なります。

医師やリハビリスタッフが症状を評価し、その方に合った方法を提案します。

自宅でもリハビリは続けられる

退院後は、「病院でのリハビリが終わったから終わり」ではありません。

日常生活そのものがリハビリになります。

例えば、

  • メモを使う
  • カレンダーで予定を管理する
  • 買い物をする
  • 料理をする

といった活動も大切なリハビリです。

毎日の生活の中で少しずつ続けることが、回復や生活のしやすさにつながります。

焦らず継続することが大切

高次脳機能障害は、回復に時間がかかることがあります。

思うような変化が見られず、不安になることもあるでしょう。

しかし、

  • 昨日より忘れ物が減った
  • 一人でできることが増えた
  • メモを使う習慣がついた

といった小さな変化も、大切な回復です。

焦らず、自分のペースで続けることが重要です。

まとめ

高次脳機能障害のリハビリは、全身状態が安定したらできるだけ早く始めることが大切です。

早期から適切な支援を受けることで、脳の回復を促し、生活上の困りごとを減らせる可能性があります。

また、発症から時間がたっていても、リハビリや生活の工夫によって改善が期待できることがあります。

「もう遅い」とあきらめる必要はありません。ご本人に合ったリハビリを、

専門職と相談しながら無理なく続けていくことが大切です。

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