食べるのを嫌がるときはどうする?
「最近、食事を嫌がるようになりました。」
「一口も食べたがらない日があります。」
「無理にでも食べてもらった方がいいのでしょうか?」
嚥下障害がある方では、「食べること」を嫌がるようになることがあります。
ご家族は、「食べないと体力が落ちてしまう。」「栄養不足になってしまう。」と心配になります。
しかし、無理に食べさせようとすると、かえって食事が苦痛な時間になってしまうことがあります。
まずは、「なぜ食べたくないのか」という原因を考えることが大切です。
この記事では、食事を嫌がる主な理由と、家族ができる対応について解説します。
食べたくない理由は一つではない
「わがままだから食べない。」ということはほとんどありません。
食事を嫌がる背景には、さまざまな理由があります。
例えば、
- 飲み込むのが怖い
- むせるのが不安
- 食事で疲れてしまう
- 食欲がない
- 口の中やのどが痛い
- 食事がおいしく感じない
- 気分が落ち込んでいる
など、身体的・精神的な要因が関係していることがあります。
飲み込むことへの恐怖
以前、食事中に激しくむせたり、苦しい思いをしたりすると、
「また同じことが起きるのでは。」という不安から、食べること自体を避けるようになることがあります。
これは珍しいことではありません。
まずは、安心して食べられる環境を整えることが大切です。
無理に食べさせない
「あと一口だけ。」「全部食べよう。」という声かけは、
励ましのつもりでも、本人には大きなプレッシャーになることがあります。
無理に食べさせると、食事への苦手意識が強くなってしまうこともあります。
まずは、食べられる量から始めましょう。
食べやすいものを選ぶ
食形態が合っていないと、食事が負担になります。
例えば、
- やわらかい料理
- のどごしのよい料理
- 本人が好きな食べ物
など、飲み込みやすく、食べたいと思える食事を選ぶことも大切です。
疲れていない時間に食べる
食事は意外と体力を使います。
疲れている時間帯では、飲み込みの機能も低下しやすくなります。
比較的元気な時間を選んで食事をすると、食べやすくなることがあります。
少量ずつ提供する
食事が多すぎると、見ただけで食欲がなくなることがあります。
最初は少なめに盛り付け、食べられたら追加する方法もおすすめです。
「全部食べられた。」という達成感が自信につながります。
楽しい食事の雰囲気を作る
食事が「訓練」になってしまうと、食べることが嫌になってしまいます。
家族と一緒に食卓を囲み、季節の話や好きな話題を楽しみながら食べることも、
食欲を引き出すきっかけになります。
ただし、口の中に食べ物があるときの会話は控え、飲み込んでから話すようにしましょう。
病気が隠れていることもある
急に食べなくなった場合は、病気が原因のこともあります。
例えば、
- 誤嚥性肺炎
- 発熱
- 口内炎
- 歯の痛み
- 便秘
- 薬の副作用
などです。
食欲低下が続く場合は、医療機関を受診しましょう。
栄養不足にならないよう工夫する
十分な量が食べられない場合は、
- 間食を活用する
- 栄養補助食品を利用する
- 一回量を減らして回数を増やす
などの工夫が役立つことがあります。
管理栄養士へ相談することもおすすめです。
家族だけで抱え込まない
「どうしたら食べてくれるのか分からない。」と悩むご家族は少なくありません。
食事量が減ってきたときは、医師や言語聴覚士、管理栄養士へ相談しましょう。
食形態や食べ方を見直すことで、食べやすくなる場合があります。
まとめ
食べるのを嫌がるときは、「食べたくない理由」を考えることが何より大切です。
無理に食べさせるのではなく、
- 飲み込みやすい食事を選ぶ
- 少量ずつ提供する
- 疲れていない時間に食べる
- 楽しい雰囲気で食事をする
などの工夫をしてみましょう。
また、急に食べなくなった場合や、体重減少が続く場合は、病気が隠れていることもあります。
一人で悩まず、医師や言語聴覚士、管理栄養士などの専門職へ相談し、
安全に「食べる楽しみ」を続けられる方法を一緒に考えていきましょう。

