嚥下リハビリを嫌がるときはどうする?
「家族が嚥下リハビリを嫌がってしまいます。」
「やった方がいいと分かっていても続きません。」
「無理にでもやらせた方がいいのでしょうか?」
嚥下障害のリハビリでは、継続することがとても大切です。
しかし、「疲れるからやりたくない。」「面倒だから今日は休みたい。」「もう十分だ。」
など、リハビリを嫌がることは珍しくありません。
特に高齢の方や認知症の方では、リハビリの必要性を理解しにくいこともあります。
そのようなときに、無理にリハビリをさせることは、かえって意欲を失わせてしまう可能性があります。
この記事では、リハビリを嫌がる理由と、無理なく続けるための工夫について解説します。
まずは「なぜ嫌がるのか」を考える
「やる気がない。」と思ってしまいがちですが、
実際には別の理由が隠れていることも少なくありません。
例えば、
- 疲れる
- 首やのどが痛い
- 訓練が難しすぎる
- 効果を感じられない
- 恥ずかしい
- 気分が落ち込んでいる
など、さまざまな理由があります。
まずは、「なぜ嫌なのか」を知ることが大切です。
無理にやらせない
「やらないと悪くなるよ。」「頑張って。」
と強く言いたくなることもあるでしょう。
しかし、無理に続けさせると、
リハビリそのものが嫌になってしまうことがあります。
本人の気持ちを尊重しながら、少しずつ取り組める方法を考えることが大切です。
小さな目標を作る
「30分頑張ろう。」ではなく、
例えば、
- 5分だけやってみる
- 1種類だけ行う
- 今日は舌の運動だけ
など、小さな目標にすると取り組みやすくなります。
「できた」という成功体験が、次の意欲につながります。
日常生活に取り入れる
リハビリだけの時間を作ることが負担になる場合は、生活の中へ取り入れる方法もあります。
例えば、
- 食事前に舌の運動をする
- 歯磨きの後に発声練習をする
- テレビを見る前に深呼吸をする
など、毎日の習慣と組み合わせることで続けやすくなります。
「できたこと」を認める
リハビリでは、改善ばかりに目が向きがちです。
しかし、
- 毎日続けられた
- 昨日より長くできた
- 食事中のむせが少なかった
など、小さな変化を認めることも大切です。
家族から、「続けられているね。」「今日はよく頑張ったね。」と声をかけてもらうだけでも、
意欲につながることがあります。
本人の目標を大切にする
「なぜリハビリをするのか。」その目的を本人と一緒に考えることも重要です。
例えば、
- お寿司を食べたい
- 家族と外食したい
- 孫と一緒に食事をしたい
など、本人が大切にしている目標があると、リハビリを続ける理由になります。
認知症がある場合は工夫が必要
認知症の方では、リハビリの目的を理解することが難しい場合があります。
そのような場合は、説明を繰り返すよりも、自然な流れで運動を取り入れる方が効果的なことがあります。
例えば、会話をしながら発声を促したり、食事前の習慣として取り入れたりする方法があります。
家族だけで抱え込まない
「どうしてもやってくれない。」ということもあります。
そのようなときは、家族だけで悩まず、言語聴覚士へ相談しましょう。
例えば、
- 訓練内容を変更する
- 負担の少ない方法へ変える
- 目標を見直す
など、別の方法が見つかることもあります。
「休む日」があってもいい
体調が悪い日や、疲れている日は、無理にリハビリを続ける必要はありません。
一日休んだからといって、すぐに機能が大きく低下するわけではありません。
大切なのは、長く続けられることです。
「毎日完璧にやる」よりも、「続けられる方法」を見つけることが重要です。
まとめ
嚥下リハビリを嫌がるときは、まず、「なぜ嫌なのか」を考えることが大切です。
無理に続けさせるのではなく、
- 小さな目標を作る
- 日常生活に取り入れる
- できたことを認める
- 本人の目標を大切にする
などの工夫によって、続けやすくなることがあります。
また、どうしても難しい場合は、一人で抱え込まず、医師や言語聴覚士へ相談しましょう。
リハビリは「頑張らせること」ではなく、「無理なく続けられること」が、安全に食べ続けるための一番の近道です。

