フードテスト(FT)とは?
「フードテスト(FT)とは何ですか?」
「水飲みテストとは何が違うのでしょうか?」
「どのようなことが分かる検査ですか?」
嚥下障害が疑われる場合、反復唾液嚥下テスト(RSST)や改訂水飲みテスト(MWST)と並んで行われることがあるのが、**フードテスト(FT:Food Test)**です。
フードテストは、実際に食べ物を飲み込んでもらい、安全に食べられるかを確認するスクリーニング検査です。
普段の食事に近い状況で評価できるため、食べ物を飲み込む能力を確認するうえで重要な検査の一つです。
この記事では、フードテストの目的や方法、結果の見方についてわかりやすく解説します。
フードテスト(FT)とは?
フードテストとは、ゼリーなどの半固形の食品を使って、飲み込みの状態を評価する検査です。
水だけでは分からない、
- 食べ物をまとめる力
- のどへ送る力
- 飲み込み後の状態
などを確認できます。
なぜ食べ物で検査するの?
水は流れが速いため、飲み込み反射の評価に適しています。
一方で、実際の食事では、
- おかゆ
- ゼリー
- おかず
など、さまざまな硬さや粘度の食べ物を食べます。
そのため、水だけでなく食べ物でも評価することで、より実際の食事に近い状態を確認できます。
検査の方法
施設によって多少異なりますが、一般的には、約4g程度のゼリーなどを使用します。
検査の流れは次のとおりです。
- 楽な姿勢で座ります。
- 少量のゼリーを口へ入れます。
- 普段どおりに飲み込んでもらいます。
- 飲み込み後の様子を観察します。
評価するポイントは、
- 飲み込めたか
- むせたか
- のどに残った感じがあるか
- 声が変わったか
などです。
必要に応じて、追加で飲み込みを促すこともあります。
何が分かるの?
フードテストでは、次のようなことを確認します。
食べ物をまとめられるか
口の中で食べ物を一つにまとめる力があるかを確認します。
舌の動きが弱いと、口の中に食べ物が残りやすくなります。
飲み込めるか
ゼリーを安全に飲み込めるかを確認します。
何度も飲み込み直していないかも観察します。
むせや誤嚥の可能性
飲み込んだ後に、
- むせる
- 咳が出る
- 声がガラガラになる
場合は、誤嚥の可能性があります。
のどに残っていないか
飲み込んだ後も、「まだ残っている感じがする」
という訴えがある場合は、のどに食べ物が残っている可能性があります。
MWSTとの違いは?
改訂水飲みテスト(MWST)は、水を使った検査です。
一方、フードテスト(FT)は、ゼリーなどの食べ物を使った検査です。
水では問題がなくても、食べ物になると飲み込みにくくなる方もいます。
逆に、水ではむせても、ゼリーは安全に食べられることもあります。
そのため、両方の検査を組み合わせて評価することがよくあります。
FTだけで診断はできる?
フードテストは、スクリーニング検査です。
そのため、
- 誤嚥している量
- 食べ物がどこに残るか
- 飲み込みのどの段階に問題があるか
までは分かりません。
必要に応じて、
- 嚥下内視鏡検査(VE)
- 嚥下造影検査(VF)
などの詳しい検査を行います。
フードテストのメリット
フードテストには、次のようなメリットがあります。
- 実際の食事に近い状態で評価できる
- 短時間で実施できる
- 特別な機械が不要
- ベッドサイドでも行いやすい
嚥下リハビリを始める前の評価としても役立ちます。
検査結果は総合的に判断される
医師や言語聴覚士は、フードテストだけではなく、
- 問診
- RSST
- MWST
- 口や舌の動き
- VE
- VF
などを組み合わせて総合的に評価します。
一つの検査だけで嚥下障害と診断することはありません。
まとめ
フードテスト(FT)は、ゼリーなどの食べ物を使って、安全に飲み込めるかを確認するスクリーニング検査です。
水だけでは分からない、
- 食べ物をまとめる力
- 飲み込む力
- 食べ物の残りやすさ
などを確認できることが特徴です。
ただし、フードテストだけでは誤嚥や嚥下障害を詳しく診断することはできません。
必要に応じて、嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)などを行い、飲み込みの状態を詳しく評価します。
飲み込みに不安がある場合は、適切な検査を受け、その人に合った食事やリハビリにつなげることが大切です。

