舌はどんな働きをしているの?
私たちは普段、舌の働きを意識することはほとんどありません。
しかし、舌は話すことや食べることに欠かせない、とても重要な器官です。
構音障害のある方では、舌の動きが弱くなったり、思うように動かせなくなったりすることで、言葉が不明瞭になることがあります。
この記事では、舌がどのような働きをしているのかを分かりやすく解説します。
舌は何のためにあるの?
舌には大きく分けて次の4つの働きがあります。
- 発音する
- 食べ物をまとめる
- 飲み込む
- 味を感じる
私たちが当たり前に行っている会話や食事は、舌の働きによって支えられています。
舌の働き① 発音する
舌の最も重要な役割の一つが発音です。
私たちは話すとき、舌を前後左右に素早く動かしながら音を作っています。
例えば、
「た」
舌先を上あごにつけてから離す
「ら」
舌先を素早くはじく
「か」
舌の奥を持ち上げる
このように音によって舌の動かし方は異なります。
実は会話中、舌は1秒間に何度も位置を変えています。
舌の働き② 食べ物をまとめる
食事では、舌が食べ物を口の中で動かしています。
食べ物を左右の歯へ運び、
噛み砕かれた食べ物を集めて、
飲み込みやすい形にまとめています。
これを「食塊(しょっかい)」と呼びます。
舌がうまく動かないと、
- 食べ物が口の中に残る
- 飲み込みにくくなる
- むせやすくなる
といった問題が起こります。
舌の働き③ 飲み込む
飲み込むときにも舌は重要な役割を果たします。
舌が食べ物や飲み物をのどへ送り込むことで、安全な嚥下が行われます。
特に水分を飲むときは、舌が前から後ろへ波のように動いています。
この動きが弱くなると、
飲み込みに時間がかかったり、
口の中に食べ物が残ったりします。
舌の働き④ 味を感じる
舌の表面には味蕾(みらい)という組織があります。
味蕾によって、
- 甘い
- 塩辛い
- 酸っぱい
- 苦い
- うま味
を感じることができます。
味を感じることで、
「おいしい」
「傷んでいるかもしれない」
などを判断しています。
構音障害では舌にどんなことが起こる?
脳卒中や神経の病気によって舌を動かす神経が障害されると、
- 動きが遅くなる
- 力が入りにくくなる
- 細かな動きができなくなる
ことがあります。
すると、
発音への影響
- ろれつが回らない
- 「た」「だ」「な」が言いにくい
- 言葉が不明瞭になる
食事への影響
- 食べ物が口の中に残る
- 飲み込みにくい
- むせやすい
といった症状が現れることがあります。
舌を動かすことは意外と難しい
試しに、
- 舌を前に出す
- 左右に動かす
- 上あごにつける
という動きをやってみてください。
簡単そうに見えますが、実は多くの筋肉が協力して働いています。
会話中はこれらの動きを無意識のうちに高速で行っています。
そのため、少しでも舌の動きが低下すると、発音に大きな影響が出るのです。
家族が知っておきたいこと
構音障害の方は、舌の動きが悪くなっていても、
「何を言いたいか」
は分かっていることがほとんどです。
話し方が不明瞭だからといって、
理解力や考える力まで低下しているとは限りません。
聞き取りにくい場合でも、最後まで話を聞く姿勢が大切です。
まとめ
舌は発音、食事、飲み込み、味覚など、多くの役割を担っています。
特に会話では、舌が細かく素早く動くことで言葉が作られています。
脳卒中や神経の病気によって舌の動きが低下すると、ろれつが回らなくなったり、言葉が不明瞭になったりすることがあります。
構音障害を理解するためには、まず舌の大切な働きを知ることが重要です。

