高次脳機能障害の家族が最初に知っておきたいこと
ご家族が高次脳機能障害と診断されたとき、
「これからどうなるのだろう」
「元の生活に戻れるのだろうか」
「家族として何をすればいいのだろう」
と、不安や戸惑いを感じる方は少なくありません。
高次脳機能障害は、手足の麻痺のように目に見える障害ではないため、理解が難しい障害の一つです。
しかし、障害について正しく知ることで、ご本人もご家族も少しずつ生活しやすくなっていきます。
この記事では、高次脳機能障害のある方を支えるご家族が最初に知っておきたいことをお伝えします。
高次脳機能障害は「見えない障害」
高次脳機能障害では、
- 記憶障害
- 注意障害
- 遂行機能障害
- 社会的行動障害
などがみられます。
しかし、
- 普通に歩ける
- 会話できる
- 食事できる
方も多いため、外見からは障害が分かりにくいことがあります。
そのため、
「元気そうに見えるのに、なぜできないの?」
と感じてしまうことがあります。
まずは、高次脳機能障害が見えにくい障害であることを知ることが大切です。
本人も戸惑っている
ご家族はもちろんですが、ご本人も大きな不安を抱えています。
例えば、
- 思うように覚えられない
- 集中できない
- 以前のように仕事ができない
といった変化に戸惑っていることがあります。
また、
「自分でもなぜできないのか分からない」
と苦しんでいる方も少なくありません。
まずは、ご本人も頑張っていることを理解することが大切です。
「怠けている」のではない
高次脳機能障害では、
- 約束を忘れる
- 同じ質問を繰り返す
- 段取りができない
ことがあります。
すると、
「もっとしっかりしてほしい」
「気をつければできるはず」
と思ってしまうことがあります。
しかし、多くの場合は努力不足ではなく脳の障害によるものです。
本人を責めても改善するわけではありません。
まずは障害の特徴として理解することが重要です。
回復には時間がかかる
脳卒中や頭部外傷の直後は、
「すぐに元に戻るのでは」
と期待してしまうことがあります。
しかし、高次脳機能障害の回復には時間がかかります。
数か月で改善することもありますが、
- 1年後
- 3年後
- 5年後
にも変化がみられることがあります。
焦らず長い目で見守ることが大切です。
家族だけで抱え込まない
高次脳機能障害の支援は長期間にわたることがあります。
そのため、
「自分が頑張らなければ」
と抱え込みすぎてしまうご家族も少なくありません。
しかし、
- 医師
- 言語聴覚士
- 作業療法士
- 心理士
- ケアマネジャー
など、多くの専門職が支援してくれます。
困ったときは遠慮なく相談しましょう。
小さな変化を大切にする
高次脳機能障害の回復は分かりにくいことがあります。
例えば、
- 忘れ物が少し減った
- メモを見る習慣がついた
- 一人で買い物に行けた
などです。
劇的な変化ではなくても、こうした小さな成長が積み重なっていきます。
できないことだけでなく、できるようになったことにも目を向けることが大切です。
家族自身の生活も大切に
高次脳機能障害のある方を支えていると、
ご本人中心の生活になってしまうことがあります。
しかし、ご家族が疲れ切ってしまうと、長く支えることが難しくなります。
そのため、
- 趣味の時間を持つ
- 誰かに相談する
- 休息を取る
ことも大切です。
ご家族自身の健康も同じくらい重要です。
比較しないことが大切
インターネットを見ると、
「〇か月で復職できた」
「完全に回復した」
という体験談を目にすることがあります。
しかし、高次脳機能障害の回復は人それぞれです。
原因や損傷部位、年齢、生活環境によって大きく異なります。
他人と比べるのではなく、
「昨日より少し前に進めたか」
を大切にしましょう。
本人の自信を支える
高次脳機能障害になると、
以前できていたことができなくなり、自信を失うことがあります。
そんなときは、
- できたことを認める
- 小さな成功を一緒に喜ぶ
ことが大切です。
失敗を責めるよりも、成功体験を積み重ねる方が回復につながります。
まとめ
高次脳機能障害のある方を支えるご家族が最初に知っておきたいことは、
- 高次脳機能障害は見えない障害である
- 本人も戸惑っている
- 怠けているわけではない
- 回復には時間がかかる
- 家族だけで抱え込まない
ということです。
ご家族の理解と支えは、ご本人の回復に大きな力になります。
一方で、ご家族自身の生活や健康も大切です。
困ったときは一人で抱え込まず、専門職や支援機関の力を借りながら歩んでいきましょう。

