家族が気づくサインとは?
高次脳機能障害は「見えない障害」と呼ばれることがあります。
手足の麻痺のように目で見て分かる障害ではないため、ご本人よりも先にご家族が変化に気づくことも少なくありません。
特に脳卒中や頭部外傷の後、
「なんとなく以前と違う」
「性格が変わった気がする」
と感じることが、診断のきっかけになることもあります。
この記事では、高次脳機能障害で家族が気づきやすいサインについて解説します。
なぜ家族が先に気づくの?
高次脳機能障害では、自分の障害に気づきにくいことがあります。
これを「病識低下」といいます。
本人は、
「特に困っていない」
「前と変わらない」
と思っていても、家族から見ると、
「明らかに以前と違う」と感じることがあります。
そのため、ご家族の気づきは診断や支援につながる大切な手がかりになります。
物忘れが増えた
最も気づきやすいサインの一つが記憶の問題です。
例えば、
- 同じ話を何度もする
- 同じ質問を繰り返す
- 約束を忘れる
- 薬を飲み忘れる
などです。
加齢による物忘れとの違いは、「最近の出来事を覚えにくい」ことが多い点です。
集中力が続かなくなった
以前は問題なくできていたことが続かなくなることがあります。
例えば、
- テレビを最後まで見られない
- 会話に集中できない
- 作業中に気が散る
などです。
また、
- ケアレスミスが増える
- 忘れ物が増える
こともあります。
段取りが悪くなった
高次脳機能障害では、遂行機能障害がみられることがあります。
例えば、
- 料理が作れなくなった
- 家事が途中で止まる
- 準備に時間がかかる
などです。
ご家族から見ると、
「何をすればいいのか分からなくなっている」ように見えることがあります。
怒りっぽくなった
性格が変わったように感じる場合もあります。
例えば、
- すぐ怒る
- イライラしやすい
- 我慢ができない
などです。
以前は穏やかだった方ほど、ご家族が強い違和感を覚えることがあります。
これは脳の損傷による社会的行動障害の可能性があります。
やる気がなくなった
高次脳機能障害では、
- 一日中ぼんやりしている
- 自分から行動しない
- 趣味に興味を示さない
ことがあります。
周囲からは、
「怠けている」
「やる気がない」
ように見えることがありますが、脳の障害による発動性低下の場合があります。
会話がかみ合わなくなった
失語症や注意障害があると、
- 質問と違う答えをする
- 話を聞き漏らす
- 会話の流れについていけない
ことがあります。
本人は一生懸命話していても、会話が成立しにくくなる場合があります。
左右への注意が偏る
右脳の損傷では半側空間無視がみられることがあります。
例えば、
- 食事の左側を残す
- 左側の物に気づかない
- 左側の人を見落とす
などです。
ご家族が最初に異変に気づくことも少なくありません。
仕事や家事でミスが増えた
退院後や復職後に目立つことがあります。
例えば、
- 金銭管理ができない
- 買い物を忘れる
- 約束の時間を間違える
- 書類のミスが増える
などです。
身体が元気に見えるため、
「なぜできないのだろう」と周囲が戸惑うこともあります。
家族が「何か違う」と感じたら大切なサイン
高次脳機能障害では、検査結果よりも先に、
「以前と比べて何か違う」という家族の感覚が重要な手がかりになることがあります。
例えば、
- 以前ならしなかったミス
- 性格の変化
- 行動の変化
などです。
小さな変化でも記録しておくと、受診時に役立つことがあります。
気になるときは相談を
脳卒中や頭部外傷の後、
- 物忘れが増えた
- 怒りっぽくなった
- 集中できない
- 段取りが悪くなった
などの変化が続く場合は、高次脳機能障害の可能性があります。
早めに主治医やリハビリスタッフに相談することをおすすめします。
まとめ
高次脳機能障害では、ご家族が最初に異変に気づくことが少なくありません。
主なサインとして、
- 物忘れが増える
- 集中力が低下する
- 段取りが悪くなる
- 怒りっぽくなる
- やる気がなくなる
- 会話がかみ合わなくなる
などがあります。
「何か違う」という家族の気づきは、高次脳機能障害を発見する大切なきっかけになります。
気になる変化があれば、一人で悩まず専門家へ相談してみましょう。

