右脳と左脳の役割の違い
「右脳は芸術脳、左脳は理論脳」
という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
確かに脳の左右には得意な働きの違いがあります。しかし、実際の脳は右脳と左脳が協力しながら働いており、どちらか一方だけで生活しているわけではありません。
高次脳機能障害では、脳のどちらが損傷したかによって現れる症状が変わることがあります。
この記事では、右脳と左脳の役割の違いについてわかりやすく解説します。
右脳と左脳はどちらも大切
脳は大きく、
- 右大脳半球(右脳)
- 左大脳半球(左脳)
に分かれています。
それぞれ得意な役割は異なりますが、常に情報をやり取りしながら協力して働いています。
そのため、
「右脳だけ使う人」
「左脳だけ使う人」
というわけではありません。
左脳の主な役割
左脳は言語や論理的な処理を得意としています。
言葉を理解する
多くの人では、言語を理解したり話したりする機能が左脳にあります。
例えば、
- 会話を理解する
- 文章を読む
- 言葉で説明する
といった働きです。
計算する
数字を扱ったり計算したりする機能も左脳が中心です。
例えば、
- お金を計算する
- 買い物のおつりを確認する
- 数式を解く
といった場面で働いています。
論理的に考える
順序立てて考えたり、筋道を立てて説明したりする能力にも関わっています。
例えば、
- 手順を考える
- 理由を説明する
- 問題を分析する
といった働きです。
右脳の主な役割
右脳は空間認識や全体像の把握を得意としています。
空間を認識する
物の位置や距離を把握する働きがあります。
例えば、
- 駐車する
- 地図を見る
- 部屋の中を移動する
といった場面で使われています。
顔や表情を認識する
人の顔や表情を理解する能力にも関わっています。
例えば、
- 相手が笑っている
- 怒っている
- 困っている
といった情報を読み取る働きです。
音楽や芸術を理解する
音楽や絵画などを楽しむ能力にも関係しています。
また、物事の全体像を把握する働きもあります。
左脳が損傷すると起こりやすい症状
左脳が損傷すると、言語に関する障害が起こりやすくなります。
失語症
最も代表的な症状です。
- 話せない
- 言葉が出ない
- 話が理解しにくい
などの症状が現れます。
読み書きの障害
- 文字が読みにくい
- 漢字が書けない
といった症状がみられることがあります。
計算障害
簡単な計算が難しくなることがあります。
右脳が損傷すると起こりやすい症状
右脳の障害では、空間認識や注意の問題が目立ちます。
半側空間無視
高次脳機能障害の代表的な症状です。
右脳が損傷すると、左側の空間に気づきにくくなります。
例えば、
- 食事の左側を残す
- 左側の人に気づかない
- 左側の壁にぶつかる
などがみられます。
地誌的障害
道に迷いやすくなることがあります。
慣れた場所でも方向が分からなくなる場合があります。
表情や感情を読み取りにくい
相手の表情や雰囲気を理解することが難しくなる場合があります。
その結果、人間関係に影響が出ることもあります。
高次脳機能障害との関係
高次脳機能障害では、
- 左脳損傷なら言語障害
- 右脳損傷なら空間認識障害
という傾向があります。
ただし、実際には多くの機能が左右の脳で協力しているため、症状は人によって異なります。
また、脳卒中や頭部外傷では複数の部位が損傷することもあり、さまざまな症状が組み合わさって現れることがあります。
「右脳型」「左脳型」は本当?
「右脳型人間」「左脳型人間」という言葉がありますが、現在の脳科学では単純に分けられるものではないと考えられています。
確かに左右で得意な機能はありますが、実際には両方の脳が協力して働いています。
そのため、
「右脳しか使っていない」
「左脳だけ発達している」
ということはありません。
まとめ
右脳と左脳にはそれぞれ得意な役割があります。
左脳
- 言語
- 読み書き
- 計算
- 論理的思考
右脳
- 空間認識
- 顔や表情の理解
- 音楽や芸術
- 全体像の把握
高次脳機能障害では、どちらの脳が損傷したかによって症状の特徴が変わります。
脳の働きを理解することは、高次脳機能障害を理解するうえでも大切な第一歩になります。

