後頭葉の役割とは?
私たちは毎日、
- 人の顔を見る
- 本やスマートフォンの文字を読む
- 道を歩く
- テレビを見る
など、多くの情報を目から得ています。
しかし、目で見た情報は、そのままでは意味を持ちません。
目から入った情報を脳が処理して初めて、
「これは人の顔だ」
「これは赤い車だ」
「ここに文字が書いてある」
と理解できるのです。
その中心的な役割を担っているのが「後頭葉(こうとうよう)」です。
この記事では、後頭葉の役割や損傷によって起こる症状についてわかりやすく解説します。
後頭葉とは?
後頭葉は、脳の一番後ろに位置する部分です。
ちょうど後頭部の内側にあり、主に視覚情報の処理を担当しています。
目で見た情報は視神経を通って脳へ送られますが、その最初の処理を行うのが後頭葉です。
後頭葉が正常に働いていることで、
- 形
- 色
- 動き
- 位置
などを認識できるようになります。
後頭葉の主な役割
見た情報を受け取る
後頭葉の最も重要な役割は、目から入った情報を受け取ることです。
例えば、
- 人の顔
- 動物
- 車
- 文字
などの情報が後頭葉に送られます。
私たちは無意識のうちにこれらを処理しています。
色を認識する
赤、青、黄色などの色を識別する働きにも関わっています。
信号機の色を見分けたり、果物の色を判断したりできるのは後頭葉のおかげです。
形を認識する
物の形を見分ける役割もあります。
例えば、
- 丸いボール
- 四角い箱
- 三角形の標識
などを区別することができます。
動きを認識する
人や車が動いていることを理解するのも後頭葉の働きです。
歩行や運転など、安全な行動に欠かせない機能です。
後頭葉が損傷するとどうなる?
脳卒中や頭部外傷などによって後頭葉が損傷すると、視覚に関するさまざまな症状が現れることがあります。
視野障害
後頭葉の障害で最もよくみられる症状です。
例えば、
- 左側が見えない
- 右側が見えない
- 一部の視野が欠ける
といった症状が現れます。
目そのものには異常がなくても、脳で情報を処理できなくなるために起こります。
視覚失認
目は見えているのに、それが何か分からなくなる症状です。
例えば、
- コップを見ても何か分からない
- 写真を見ても誰か分からない
といった状態になります。
高次脳機能障害の一種です。
相貌失認(そうぼうしつにん)
人の顔を認識することが難しくなる症状です。
家族や友人の顔を見ても、「誰だか分からない」という状態になることがあります。
声や服装などの手がかりで判断している方もいます。
色彩認識の障害
色を見分けることが難しくなる場合があります。
例えば、
- 信号機の色が分かりにくい
- 色の違いが判断しにくい
などの症状が現れることがあります。
後頭葉の障害は高次脳機能障害にも関係する
高次脳機能障害というと、
- 記憶障害
- 注意障害
をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、「見えているのに理解できない」という症状も高次脳機能障害の一つです。
後頭葉が損傷すると、視覚情報を適切に処理できなくなり、
日常生活に大きな影響を与えることがあります。
見えているのに困ることがある
後頭葉の障害では、「目は見えるのに生活で困る」という特徴があります。
例えば、
- 知人の顔が分からない
- 物を探せない
- 文章を読みづらい
- 人混みで迷いやすい
などです。
周囲からは理解されにくいため、「見えない障害」として苦労することもあります。
リハビリや工夫で生活しやすくなる
後頭葉の障害があっても、工夫によって生活しやすくなることがあります。
例えば、
- 頭を動かして視野を確認する
- 写真や名前を併用する
- 環境を整理する
などです。
また、作業療法士や言語聴覚士などの専門職による支援が役立つ場合もあります。
まとめ
後頭葉は、脳の後ろ側にある「視覚の中枢」です。
- 色を認識する
- 形を認識する
- 動きを認識する
- 見たものを理解する
といった重要な役割を担っています。
そのため後頭葉が損傷すると、
- 視野障害
- 視覚失認
- 相貌失認
などの症状が現れることがあります。
後頭葉の働きを理解することは、高次脳機能障害や視覚認知障害を理解するうえで大切な第一歩になります。

