頭頂葉の役割とは?
高次脳機能障害について調べていると、「頭頂葉(とうちょうよう)」という言葉を目にすることがあります。
頭頂葉は、脳の上部に位置する領域で、
- 触った感覚を理解する
- 自分の身体の位置を把握する
- 周囲の空間を認識する
- 文字を読む・書く
など、日常生活に欠かせない働きを担っています。
そのため、頭頂葉が損傷すると、
- 左右の空間に気づきにくくなる
- 道具をうまく使えなくなる
- 読み書きや計算が難しくなる
といった症状が現れることがあります。
この記事では、頭頂葉の役割や損傷によって起こる症状についてわかりやすく解説します。
頭頂葉とは?
頭頂葉は、脳の上側に位置する領域です。
前頭葉の後ろ、後頭葉の前にあり、感覚や空間認識に関わる情報を処理しています。
私たちは普段、
- 自分の手足の位置を知る
- 周囲の物の位置を把握する
- 物を正しく操作する
ことを無意識に行っています。
これらの働きを支えているのが頭頂葉です。
頭頂葉の主な役割
感覚を理解する
頭頂葉は、
- 触った感覚
- 温かさ
- 冷たさ
- 痛み
などの情報を処理しています。
例えば目を閉じていても、
「これはコインだ」
「これは鍵だ」
と分かるのは頭頂葉が働いているためです。
空間を認識する
頭頂葉は周囲の空間を把握する役割も担っています。
例えば、
- ドアの位置を確認する
- コップに正しく手を伸ばす
- 人や物との距離を把握する
といった行動に関わっています。
身体の位置を把握する
頭頂葉は、自分の身体がどこにあるかを認識する働きもあります。
例えば、
- 手をどこまで伸ばしたか
- 足がどこにあるか
を無意識に把握できるのは頭頂葉のおかげです。
読み書きや計算
特に左頭頂葉は、
- 読字
- 書字
- 計算
にも関わっています。
学校で学ぶ基本的な学習能力にも重要な役割を果たしています。
頭頂葉が損傷するとどうなる?
脳卒中や頭部外傷などで頭頂葉が損傷すると、さまざまな症状が現れます。
半側空間無視
高次脳機能障害の中でもよく知られている症状です。
特に右頭頂葉が損傷すると、左側の空間に気づきにくくなります。
例えば、
- 食事の左半分を残す
- 左側の人に気づかない
- 左側の壁にぶつかる
などがみられます。
目が見えていないわけではなく、「注意が向かない」状態です。
失行
身体に麻痺がないのに、目的のある動作がうまくできなくなる症状です。
例えば、
- 歯ブラシを正しく使えない
- ボタンをかけられない
- 道具の使い方が分からなくなる
といった困りごとが生じます。
失認
感覚は保たれているのに、それが何か分からなくなる症状です。
例えば、
- 触っても物の名前が分からない
- 見えているのに認識できない
などがみられます。
読み書きや計算の障害
左頭頂葉が損傷すると、
- 漢字が書けない
- 文章が読みづらい
- 計算が苦手になる
といった症状が現れることがあります。
右頭頂葉と左頭頂葉の違い
右頭頂葉
主に、
- 空間認識
- 注意機能
に関わります。
損傷すると半側空間無視が起こりやすくなります。
左頭頂葉
主に、
- 言語
- 読み書き
- 計算
に関わります。
損傷すると学習能力や言語機能に影響が出ることがあります。
頭頂葉の障害は生活に大きく影響する
頭頂葉の障害は見た目では分かりにくいことがあります。
しかし、
- 食事
- 着替え
- 買い物
- 運転
など、日常生活のさまざまな場面に影響を与えます。
特に半側空間無視は転倒や事故の原因になることもあり、注意が必要です。
リハビリで改善は期待できる
頭頂葉の障害に対しては、
- 注意訓練
- 空間認識訓練
- 日常生活動作訓練
などが行われます。
また、
- 左側を見る習慣をつける
- 目印を活用する
- 環境を整える
といった工夫も役立ちます。
まとめ
頭頂葉は、
- 感覚を理解する
- 空間を認識する
- 身体の位置を把握する
- 読み書きや計算を行う
といった重要な役割を担っています。
そのため頭頂葉が損傷すると、
- 半側空間無視
- 失行
- 失認
- 読み書きや計算の障害
などが現れることがあります。
頭頂葉の働きを理解することは、高次脳機能障害の症状を理解するうえでとても重要です。

