4歳ごろの発音の特徴
4歳ごろになると、話せることばが増え、長い文を使って自分の経験や気持ちを伝えられるようになってきます。
発音も1〜3歳ごろと比べるとかなり明瞭になり、家族以外の人にも話が伝わりやすくなります。
一方で、発音はまだ完全に完成しているとは限りません。
さ行やら行など、一部の音がうまく言えなかったり、特定の音を別の音へ置き換えたりする子どももいます。
そのため、4歳で発音の誤りがあるからといって、すぐに構音障害と判断することはできません。
ただし、発音全体がかなり聞き取りにくい場合や、特徴的な音の歪みがある場合には、一度専門家へ相談したほうがよいこともあります。
この記事では、4歳ごろの子どもにみられる発音の特徴や、発音の発達を見るポイント、専門家への相談を考える目安についてわかりやすく解説します。
4歳になると会話がかなり発達する
4歳ごろになると、ことばを使ってさまざまなことを表現できるようになります。
今日、保育園で何をしたのかを説明したり、自分が経験した出来事を順番に話したりすることも増えてきます。
大人からの質問に答えるだけでなく、自分から質問したり、友達とことばを使って遊んだりする機会も増えます。
文も長くなり、助詞などを使いながら複数のことばを組み合わせて話すようになります。
一方、ことばの発達には個人差があるため、同じ4歳でも話し方には違いがあります。
発音について考える場合にも、発音だけではなく、ことばの理解や表現、会話などを含めて見ることが大切です。
4歳では発音もかなり聞き取りやすくなる
4歳ごろになると、使える音の種類が増え、発音も大人の発音に近づいてきます。
1〜2歳ごろには家族にしか理解できなかったことばも、4歳になると家族以外の人に伝わることが増えてきます。
保育園や幼稚園の先生、友達、祖父母などとも、ことばを使ったコミュニケーションが取りやすくなります。
もちろん、一部の音を間違えることはあります。
しかし、特定の音に誤りがあっても、会話全体としては何を話しているのかわかることが多くなってくる時期です。
4歳の発音を見るときには、すべての音が正しいかだけでなく、会話全体がどの程度聞き取りやすいかを見ることも重要です。
4歳でもまだ完成していない音がある
4歳になると多くの音を発音できるようになりますが、すべての音が完成しているとは限りません。
日本語の音には、それぞれ異なる舌や唇の動きが必要です。
比較的簡単に作れる音もあれば、舌の位置や空気の流れを細かく調整しなければならない音もあります。
そのため、4歳でも一部の音が安定しないことがあります。
特に、さ行やら行などは、子どもによって正しく発音できるようになる時期に違いがあります。
一つの音が言えないというだけで、すぐに異常と判断する必要はありません。
さ行がまだうまく言えないことがある
4歳ごろでも、さ行の発音がまだ安定していない子どもがいます。
さ行を発音するときには、舌と上あごなどの間に狭い隙間を作り、そこへ空気を流す必要があります。
舌の位置と空気の流れを細かく調整する必要があるため、子どもにとって難しい音の一つです。
例えば、さかなをたかな、せみをてみのように発音することがあります。
これは、さ行をより発音しやすいた行へ置き換えている状態です。
4歳では、このような置き換えが発達途中としてみられる場合もあります。
ただし、発音の状態が以前からほとんど変わっていない場合には、経過を確認していくことが大切です。
ら行が安定しないこともある
ら行も、4歳ごろではまだ安定しないことがあります。
日本語のら行では、舌先を上あご付近へ素早く接触させて音を作ります。
舌先を細かく動かす必要があるため、別の音へ置き換わることがあります。
例えば、ら行がだ行などに近い音として聞こえる場合があります。
単語によって正しく言える場合と間違える場合があったり、ゆっくり話すと正しく言えても会話では間違えたりすることもあります。
少しずつ正しく言える場面が増えているのであれば、発音が発達している途中と考えられることがあります。
か行やた行などは安定してくる
4歳ごろになると、比較的早い時期から発達する音については、かなり安定して使えるようになってきます。
例えば、か行やた行なども、日常会話の中で正しく使える子どもが増えてきます。
幼いころに、か行をた行へ置き換えていた子どもでも、成長とともに正しい発音へ変化することがあります。
一方、4歳になっても複数の音を大きく置き換えており、会話全体がかなり聞き取りにくい場合には、発音の状態を確認してもよいでしょう。
一つの音だけではなく、発音全体がどのように発達しているのかを見ることが重要です。
長いことばも上手に言えるようになってくる
4歳になると、使えることばが増え、長い単語を話す機会も増えてきます。
3歳ごろまでは長いことばの一部を省略したり、音の順番が変わったりすることがありますが、4歳ごろになると少しずつ正確に言えるようになってきます。
ただし、初めて聞いたことばや非常に長いことばでは、まだ間違えることがあります。
特に、苦手な音がいくつも含まれている場合には、発音が不明瞭になることがあります。
以前より長いことばを正確に言えるようになっているかという変化を見ることが大切です。
単語では言えても会話では間違えることがある
4歳ごろになると、苦手だった音を単独では正しく言えるようになることがあります。
しかし、単音で正しく言えることと、日常会話で正しく使えることは同じではありません。
例えば、さだけなら上手に言えても、さかなという単語ではたかなになってしまうことがあります。
さらに、単語では正しく言えても、長い文や会話になると誤った発音へ戻ることもあります。
会話では、何を話すか考えながら多くの音を連続して発音する必要があります。
そのため、正しい発音が完全に定着するまでには時間がかかることがあります。
発音の誤りが減っているかを見る
4歳の発音について様子を見る場合には、現在言えない音だけに注目するのではなく、これまでの変化を見ることが大切です。
例えば、3歳のころには多くの音を間違えていたものの、4歳になって一部の音だけになっているのであれば、発音が発達していることがわかります。
また、以前はいつも間違えていた音が、ときどき正しく言えるようになることもあります。
発音が少しずつ変化しているのであれば、正しい音を身につけている途中の可能性があります。
反対に、長期間ほとんど変化がない場合には、一度専門家へ相談することも検討できます。
置き換えだけでなく歪みにも注意する
子どもの発音の誤りには、置き換え、省略、歪みなどがあります。
置き換えとは、本来の音を別の日本語の音として発音することです。
例えば、さかなをたかなと言う場合が該当します。
一方、歪みとは、本来の音とも別の日本語の音とも異なる、独特な発音になることです。
例えば、さ行を言おうとしているものの、さにもたにも聞こえないような発音になることがあります。
発達途中でみられる音の置き換えとは異なり、特徴的な歪みが続いている場合には、専門家による評価を検討することがあります。
家庭で置き換えと歪みを正確に判断する必要はありません。
何となく独特な発音が続いていると感じる場合には相談してもよいでしょう。
家族以外の人にも伝わるか確認する
4歳ごろになると、家族以外の人と話す機会が増えてきます。
発音の状態を見るときには、保護者が理解できるかだけではなく、保育園や幼稚園の先生、友達、祖父母などにも話が伝わっているかを確認してみましょう。
家族は毎日子どもの発音を聞いているため、その子特有の発音に慣れています。
そのため、多少不明瞭でも何を言っているのか理解できることがあります。
一方、子どもの発音に慣れていない人から何度も聞き返される場合には、発音によってコミュニケーションに影響が出ている可能性があります。
子ども自身が発音に気づき始めることもある
4歳ごろになると、自分と他の人の話し方の違いに気づく子どももいます。
友達から発音を指摘されたり、大人から何度も聞き返されたりすることで、自分の発音を意識することがあります。
自分から発音を言い直そうとすることもあります。
一方で、うまく言えないことを気にして、特定のことばを避けたり、人前で話したがらなくなったりする場合もあります。
発音の誤りの程度だけではなく、本人がどのように感じているのかを見ることも大切です。
4歳から構音訓練を始めることはある?
4歳ごろになると、子どもによっては構音訓練を検討することがあります。
ただし、4歳になったから必ず訓練を始めるわけではありません。
発音の誤り方、どの音が言えないのか、自然な改善がみられているか、子どもが練習に取り組めるかなどを確認して判断します。
構音訓練では、舌の位置や空気の出し方などを理解し、専門家の指示に合わせて練習する必要があります。
そのため、発音だけでなく、課題への理解や集中力なども開始時期を考える要素になります。
評価の結果、まだ自然な発達を待つことが適切と判断される場合もあります。
家庭で無理に発音練習をする必要はない
4歳になると大人の指示を理解できることが増えるため、家庭で発音を練習させたくなることがあります。
しかし、正しい音の作り方がわからない状態で何度も同じことばを言わせても、必ずしも正しい発音にはつながりません。
誤った発音を繰り返すことになる場合もあります。
また、間違えるたびに指摘されることで、子どもが話すことに苦手意識を持つ可能性もあります。
日常会話では、発音の正確さよりも、子どもが何を伝えようとしているのかを受け止めることを大切にしましょう。
子どもが誤った発音をしたときには、無理に言い直させず、大人が自然な会話の中で正しい発音を聞かせる方法があります。
5歳・就学に向けて発音の変化を確認する
4歳は、発音が大きく発達している途中であると同時に、就学までの期間を考え始める時期でもあります。
小学校では、音読や発表など人前で話す機会が増えます。
ひらがなの読み書きを学ぶ際には、ことばを一つひとつの音として意識する機会も増えていきます。
そのため、4歳の時点で発音が気になる場合には、その後どのように変化していくのかを確認していくことが大切です。
5歳ごろになっても同じ誤りが続いている場合や、就学前になっても発音がかなり不明瞭な場合には、専門家への相談を検討するとよいでしょう。
4歳で相談を考えたいのはどんなとき?
4歳でも一部の音が言えないことはあります。
そのため、一つの音を間違えるだけですぐに構音障害と考える必要はありません。
一方、次のような様子がみられる場合には、言語聴覚士などの専門家への相談を検討してもよいでしょう。
・会話全体がかなり聞き取りにくい
・家族以外の人には話が伝わりにくい
・複数の音を大きく間違えている
・発音が長期間ほとんど変化していない
・日本語の一般的な音とは異なる独特な歪みがある
・本人が自分の発音を気にしている
・発音を理由に話すことを避けている
・ことばの理解や表現にも気になるところがある
・聞こえについて心配がある
・口や舌などの形態や動きが気になる
相談したからといって、必ずすぐに訓練を始めるわけではありません。
現在の発音が発達途中として考えられるのか、訓練を検討したほうがよいのかを確認することができます。
まとめ
4歳ごろになると、1〜3歳のころと比べて発音はかなり明瞭になり、家族以外の人にも話が伝わりやすくなります。
一方、すべての音が完成しているとは限らず、さ行やら行など一部の音がまだうまく言えない子どももいます。
発音を見るときには、一つの音が正しく言えるかだけではなく、以前より誤りが減っているか、会話全体が聞き取りやすくなっているか、家族以外の人にも伝わるかなどを確認することが大切です。
また、発達途中でみられる置き換えとは異なる特徴的な歪みがある場合や、発音全体がかなり聞き取りにくい場合には、専門家への相談を検討することがあります。
家庭では間違えるたびに発音を直すのではなく、子どもが安心して話せることを大切にしましょう。
4歳から5歳にかけても発音の変化を確認し、気になる状態が続く場合には、言語聴覚士などの専門家に相談することも一つの方法です。

