自立支援医療制度とは?(聴覚障害)
「自立支援医療制度という名前を聞いたことがあります。」
「医療費が安くなる制度なのでしょうか。」
病気や障害の治療を続けるためには、医療費が大きな負担になることがあります。
そのような方を支える制度の一つが自立支援医療制度です。
この制度を利用すると、対象となる医療について医療費の自己負担が原則1割となり、さらに所得に応じて月ごとの自己負担上限額が設定されています。
聴覚障害のある方では、人工内耳手術などが対象となる場合があります。
この記事では、自立支援医療制度の仕組みや対象となる医療、申請方法について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
自立支援医療制度とは?
自立支援医療制度とは、障害の治療を継続して受けやすくするために、医療費の自己負担を軽減する制度です。
対象となる医療については、自己負担は原則1割となります。
また、世帯の所得に応じて、月ごとの自己負担額には上限が設けられています。
自立支援医療制度は3種類ある
自立支援医療制度には、次の3つがあります。
① 更生医療
18歳以上で、身体障害者手帳を持っている方が対象です。
手術などによって障害の改善が期待できる場合に利用できます。
例えば、
- 人工内耳手術
- 人工関節置換術
- ペースメーカー植え込み
などが対象となることがあります。
② 育成医療
18歳未満のお子さんが対象です。
身体に障害がある、または将来障害が残る可能性があり、早期に治療を行うことで改善が期待できる場合に利用できます。
聴覚障害では、人工内耳手術などが対象になることがあります。
③ 精神通院医療
精神疾患で継続的な通院治療が必要な方を対象とした制度です。
聴覚障害とは直接関係ありませんが、
自立支援医療制度の一つとして位置付けられています。
聴覚障害ではどんな医療が対象になる?
聴覚障害では、
主に
- 人工内耳手術
- 人工内耳に関する医療
などが対象となる場合があります。
一方、一般的な補聴器の購入費は、自立支援医療制度ではなく、補装具費支給制度などの対象となることがあります。
制度が異なるため、混同しないよう注意しましょう。
どのくらい自己負担が軽くなる?
自立支援医療制度では、対象医療の自己負担は原則1割です。
さらに、所得区分に応じて、月ごとの自己負担額に上限があります。
そのため、高額な手術や継続的な治療が必要な場合でも、医療費の負担を軽減できる可能性があります。
申請方法
一般的な流れは、
- 主治医へ相談する
- 必要な診断書を作成してもらう
- 市区町村の窓口へ申請する
- 審査後に受給者証が交付される
となります。
制度によっては、治療を始める前に申請が必要となる場合があります。
詳しくは、自治体へ確認しましょう。
高額療養費制度との違い
自立支援医療制度と似た制度に、高額療養費制度があります。
両者は目的が異なります。
自立支援医療制度
- 障害に関する対象医療の自己負担を軽減する制度
高額療養費制度
- 医療費が高額になったときに自己負担額を一定額まで抑える制度
両方を利用できる場合もありますので、医療機関や自治体へ相談してみましょう。
利用するときの注意点
自立支援医療制度は、すべての医療費が対象になるわけではありません。
対象となる医療や医療機関が決められており、制度の対象外となる治療もあります。
また、更新手続きが必要になることもありますので、受給者証の期限を確認しておきましょう。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、人工内耳や聴覚障害のリハビリテーションを行う中で、利用できる制度について情報提供を行います。
必要に応じて、耳鼻咽喉科や医療ソーシャルワーカー、自治体と連携しながら支援を進めます。
制度について分からないことがあれば、遠慮なく相談しましょう。
制度を知ることが安心につながる
医療費が理由で治療をためらってしまう方もいます。
しかし、自立支援医療制度を利用することで、経済的な負担を軽減しながら治療を続けられる場合があります。
利用できるかどうかは病気や障害の種類によって異なりますので、まずは主治医や自治体へ相談してみましょう。
まとめ
自立支援医療制度は、障害に関する医療費の自己負担を軽減する制度で、更生医療・育成医療・精神通院医療の3種類があります。
対象となる医療では自己負担が原則1割となり、所得に応じた自己負担上限額も設けられています。
聴覚障害では、人工内耳手術などが対象となる場合があります。
制度によっては治療前の申請が必要になるため、利用を希望する場合は早めに主治医や自治体へ相談し、自分に合った支援を確認しましょう。

