聴覚障害は定期的な検査が必要?
「一度検査を受けたので、もう病院へ行かなくても大丈夫でしょうか?」
「聞こえは変わっていないように感じますが、定期的に検査を受けたほうがよいのでしょうか?」
聴覚障害と診断されたあと、「特に困っていないから大丈夫」と思い、通院をやめてしまう方も少なくありません。
しかし、難聴の種類によっては少しずつ進行することがあり、自分では変化に気づきにくい場合があります。
そのため、聞こえの状態を定期的に確認することは、とても大切です。
この記事では、なぜ定期的な聴力検査が必要なのか、どのような方が特に検査を受けたほうがよいのかについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
なぜ定期的な検査が必要なの?
聞こえは少しずつ変化することがあります。
特に、
- 加齢性難聴
- メニエール病
- 一部の遺伝性難聴
- 慢性中耳炎
などでは、時間の経過とともに聞こえが変化することがあります。
変化がゆっくり進む場合、本人は気づきにくいことも少なくありません。
定期的な検査を受けることで、小さな変化を早い段階で確認できます。
自覚症状だけでは分からないこともある
「聞こえは以前と変わらない」と思っていても、実際に検査をすると聴力が低下していることがあります。
これは、人は少しずつ進行する変化には慣れてしまうためです。
また、家族から「最近、テレビの音が大きくなったね。」「聞き返しが増えたね。」と言われて初めて気づく方も少なくありません。
補聴器の調整にも役立つ
補聴器を使用している方は、聞こえの変化に合わせて調整を行うことが重要です。
定期的な聴力検査によって、
- 補聴器の設定が現在の聴力に合っているか
- 出力が強すぎたり弱すぎたりしていないか
などを確認できます。
聞こえが変化しているのに調整をしないまま使用を続けると、補聴器の効果を十分に得られないことがあります。
人工内耳でも定期的な確認が必要
人工内耳を使用している方も、定期的な通院が必要です。
人工内耳では、
- 音の聞こえ方
- 機器の設定(マッピング)
- 日常生活での困りごと
などを確認しながら調整を行います。
必要に応じて、言語聴覚士による聞き取りの評価やリハビリテーションを受けることもあります。
子どもは特に継続した評価が大切
子どもは成長とともに、
聞こえだけでなく、
- 言葉の発達
- 発音
- 学習
なども変化していきます。
そのため、定期的に聴力を確認しながら、必要に応じて補聴器や人工内耳の調整、言葉の発達支援を行うことが大切です。
学校生活が始まる時期や進学のタイミングなど、生活環境が変わる際にも評価が重要になります。
急な変化があったときはすぐに受診
定期検査を待たず、次のような症状があれば早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 急に聞こえなくなった
- 耳鳴りが急に強くなった
- 強いめまいがある
- 補聴器をつけても急に聞こえにくくなった
- 片耳だけ急に聞こえにくくなった
これらは、突発性難聴など早期治療が必要な病気の可能性もあります。
検査の頻度は人によって異なる
定期検査の間隔は、難聴の種類や年齢、症状によって異なります。
例えば、
- 症状が安定している方
- 補聴器を調整中の方
- 人工内耳を使用している方
- 子どもの難聴
では、受診する頻度が変わることがあります。
自分に合った受診間隔については、耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。
聞こえだけでなく生活の困りごとも相談しよう
定期検査では、聴力だけではなく、
- 会話で困っていること
- 補聴器の使い心地
- 学校や職場での困りごと
なども相談できます。
言語聴覚士が関わっている医療機関では、聞こえの状態だけでなく、コミュニケーションや生活面についてもアドバイスを受けられることがあります。
まとめ
聴覚障害では、難聴の種類によって聞こえが少しずつ変化することがあるため、定期的な聴力検査が大切です。
補聴器や人工内耳を使用している方は、聞こえの変化に合わせた調整を行うことで、より良い聞こえを維持しやすくなります。
また、子どもの難聴では、言葉の発達や学習への影響も含めて継続的な評価が重要です。
聞こえに大きな変化を感じなくても、定期的に耳鼻咽喉科を受診し、現在の聞こえの状態を確認することが、安心して生活を送るためにつながります。

