突発性難聴の治療方法
「突発性難聴と診断されました。治るのでしょうか?」
「どのような治療をするのですか?」
突発性難聴は、ある日突然、片耳の聞こえが悪くなる病気です。
耳鳴りや耳が詰まった感じ、めまいを伴うこともあり、多くの方が「朝起きたら急に聞こえなくなった」と受診されます。
突発性難聴で最も大切なのは、できるだけ早く治療を始めることです。
早期に治療を開始するほど、聞こえが回復する可能性が高くなると考えられています。
この記事では、突発性難聴の主な治療方法について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
突発性難聴とは?
突発性難聴とは、原因がはっきりしないまま、突然聞こえが悪くなる感音難聴です。
多くは片耳だけに起こり、
- 朝起きたら聞こえない
- 耳が詰まった感じがする
- 強い耳鳴りがある
- めまいを伴う
などの症状が現れます。
はっきりとした原因は分かっていませんが、
- 内耳の血流障害
- ウイルス感染
- 免疫の異常
などが関係しているのではないかと考えられています。
できるだけ早く受診することが大切
突発性難聴は、発症してからできるだけ早く治療を始めることが重要です。
一般的には、発症後1~2週間以内に治療を開始することが望ましいとされています。
受診が遅れるほど回復が難しくなる可能性があるため、
「様子を見よう」と自己判断せず、聞こえの異変を感じたらすぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
ステロイド治療
突発性難聴の治療で中心となるのがステロイド薬です。
ステロイドには、
- 炎症を抑える
- 内耳の働きを改善する
などの作用が期待されています。
内服薬として服用する場合もあれば、症状によっては点滴で治療を行うこともあります。
鼓室内ステロイド注入療法
ステロイドを鼓膜から中耳へ注入し、内耳へ直接届ける治療が行われることもあります。
この治療は、
- 内服薬だけでは改善が十分でない場合
- ステロイドの内服が難しい場合
などに選択されることがあります。
すべての患者さんに行われるわけではありませんが、治療の選択肢の一つです。
めまいがある場合の治療
めまいを伴う場合には、めまいを和らげる薬や吐き気止めなどを併用することがあります。
症状が強い場合には、安静にしながら治療を進めることもあります。
入院が必要になることもある
症状が重い場合や、めまいが強い場合には、入院して点滴治療を行うことがあります。
一方で、症状が比較的軽い場合には、外来で治療を続けることも少なくありません。
治療方法は、症状や全身状態に応じて医師が判断します。
高気圧酸素療法が行われることもある
一部の医療機関では、高気圧酸素療法が行われることがあります。
これは、高い気圧の環境で酸素を吸入し、内耳への酸素供給を改善することを目的とした治療です。
すべての病院で実施されているわけではありませんが、症状や経過によって検討されることがあります。
回復には個人差がある
突発性難聴は、治療によって完全に回復する方もいれば、
一部の聞こえにくさや耳鳴りが残る方もいます。
回復の程度には、
- 治療開始までの時間
- 難聴の程度
- めまいの有無
- 年齢や全身状態
など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
回復しなかった場合は?
十分に回復しなかった場合には、その後の生活を支えるために、
- 補聴器
- 人工内耳(高度難聴の場合)
- 言語聴覚士によるコミュニケーション支援
などが検討されます。
聞こえが完全に元に戻らなかったとしても、日常生活を送りやすくするための支援方法は数多くあります。
自己判断で治療をやめないことが大切
症状が少し良くなったからといって、自己判断で薬を中止したり、通院をやめたりすることは避けましょう。
医師の指示どおりに治療を続け、必要に応じて聴力検査を受けながら経過を確認することが大切です。
まとめ
突発性難聴は、突然聞こえが悪くなる病気であり、できるだけ早く治療を開始することが回復への重要なポイントです。
治療の中心はステロイド薬で、症状によっては鼓室内ステロイド注入療法や高気圧酸素療法、入院による点滴治療などが行われることもあります。
回復の程度には個人差がありますが、早期に適切な治療を受けることで改善が期待できます。
「急に聞こえなくなった」「片耳だけ聞こえにくい」と感じたら、様子を見ずにできるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。

