聴覚障害の主な原因とは?
「なぜ聞こえにくくなったのだろう?」
「聴覚障害はどのような原因で起こるの?」
聴覚障害と診断されると、多くの方がこのような疑問を抱きます。
聴覚障害は一つの病気ではなく、さまざまな原因によって起こります。生まれつき聞こえにくい場合もあれば、病気や加齢、騒音などが原因で後から発症することもあります。
原因によって治療方法や経過は異なるため、正しく理解することが大切です。
この記事では、聴覚障害の主な原因について、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
生まれつきの聴覚障害(先天性難聴)
生まれたときから聞こえにくさがある状態を先天性難聴といいます。
原因としては、
- 遺伝的な要因
- 妊娠中の感染症
- 内耳の発達の異常
- 出生時のさまざまな影響
などが考えられます。
現在では、多くの赤ちゃんが新生児聴覚スクリーニング検査を受けており、早い段階で聞こえの異常を見つけられるようになっています。
加齢による難聴
高齢になると、内耳にある有毛細胞が少しずつ減少し、聞こえが低下していきます。
これを加齢性難聴といいます。
特徴として、
- 高い音が聞き取りにくい
- 人の声が聞き取りづらい
- 騒がしい場所で会話しにくい
などがあります。
加齢性難聴は多くの方にみられる変化ですが、補聴器などを活用することで生活しやすくなることがあります。
耳の病気
耳の病気によって聞こえにくくなることもあります。
代表的な病気には、
- 中耳炎
- 滲出性中耳炎
- 外耳炎
- 耳硬化症
- 真珠腫性中耳炎
などがあります。
これらは伝音難聴の原因となることが多く、適切な治療によって改善する場合があります。
突発性難聴
突発性難聴は、ある日突然、片耳の聞こえが悪くなる病気です。
耳鳴りやめまいを伴うこともあります。
発症後できるだけ早く治療を始めることが重要で、治療開始が遅れると回復しにくくなる場合があります。
突然聞こえにくくなった場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。
大きな音による影響
長期間、大きな音を聞き続けることで内耳が傷つくことがあります。
これを騒音性難聴といいます。
例えば、
- 工事現場
- 工場
- ライブ会場
- イヤホン・ヘッドホンで大音量の音楽を長時間聞く
などが原因になることがあります。
一度傷ついた有毛細胞は元に戻らないため、日頃から耳を守ることが大切です。
薬の副作用
一部の薬には、内耳へ影響を与えるものがあります。
これを薬剤性難聴といいます。
頻度は高くありませんが、特定の抗菌薬や抗がん剤などで起こることがあります。
必要以上に心配する必要はありませんが、治療中に聞こえの変化を感じた場合は、自己判断で薬を中止せず、主治医へ相談しましょう。
外傷や病気
事故などによる頭部外傷や、脳や神経の病気によって聞こえにくくなることもあります。
例えば、
- 頭部外傷
- 聴神経腫瘍
- 髄膜炎
- 脳卒中
などでは、聴覚に影響が現れることがあります。
原因によって必要な検査や治療は異なります。
原因がはっきりしないこともある
聴覚障害の中には、詳しく検査をしても原因が特定できない場合があります。
また、一つではなく複数の原因が重なって聞こえにくくなっていることもあります。
そのため、自己判断せず、耳鼻咽喉科で検査を受けることが大切です。
早期発見・早期対応が大切
聴覚障害の原因によっては、早く治療を始めることで改善が期待できるものがあります。
また、治療が難しい場合でも、
- 補聴器
- 人工内耳
- 聴覚リハビリテーション
などを活用することで、聞こえを支援できることがあります。
聞こえにくさを感じたら、「年齢のせい」と決めつけず、早めに耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
まとめ
聴覚障害の原因はさまざまで、
- 生まれつきの難聴
- 加齢性難聴
- 耳の病気
- 突発性難聴
- 騒音性難聴
- 薬剤性難聴
- 外傷や神経の病気
などがあります。
原因によって治療方法や経過は異なるため、正しい診断を受けることが重要です。
聞こえにくさを感じたときは早めに受診し、自分に合った治療や支援を受けることが、生活の質を保つことにつながります。

