発達性言語障害(DLD)とは?
はじめに
「言葉だけがなかなか伸びません。」
「発達性言語障害(DLD)と言われましたが、どのような障害なのでしょうか?」
子どもの言葉の発達について調べていると、「発達性言語障害(DLD)」という言葉を目にすることがあります。
DLDは、知的発達症や聴覚障害などでは説明できない言葉の困難が続く状態です。
あまり知られていない障害ですが、決して珍しいものではありません。
この記事では、発達性言語障害(DLD)の特徴や、家庭でできる関わり方についてわかりやすく解説します。
発達性言語障害(DLD)とは?
発達性言語障害(Developmental Language Disorder:DLD)は、生まれつき言葉の発達に困難がみられる発達障害の一つです。
言葉を理解したり、話したりする力の発達が年齢相応よりゆっくりで、その困難が日常生活や学習に影響することがあります。
一方で、
- 聴力に大きな問題がない
- 周囲との関わりは保てている
- 知的発達だけでは説明できない
といった点が特徴です。
「言葉だけ」が苦手なこともある
DLDの子どもの中には、
- 運動は年齢相応
- 遊びも楽しめる
- 人との関わりもある
一方で、
- 言葉がなかなか増えない
- 長い説明が理解しにくい
- 自分の考えを言葉で伝えることが難しい
というように、言葉の面だけに困りごとがみられることがあります。
もちろん、困りごとの現れ方には個人差があり、一人ひとり異なります。
理解と表現のどちらにも影響することがある
言葉の発達には、
- 相手の話を理解する力(理解言語)
- 自分の気持ちを伝える力(表出言語)
の二つがあります。
DLDでは、理解することが苦手な子どももいれば、話すことが苦手な子ども、両方に困難がみられる子どももいます。
例えば、
- 長い説明を理解しにくい
- 新しい言葉を覚えるのに時間がかかる
- 文法の間違いが続く
- 言いたい言葉がすぐに出てこない
などの特徴がみられることがあります。
ASDや知的発達症との違いは?
DLDは、自閉スペクトラム症(ASD)や知的発達症と混同されることがあります。
しかし、それぞれ困りごとの中心が異なります。
例えば、ASDでは、コミュニケーションの取り方や対人関係、興味や行動の特徴が中心となります。
知的発達症では、言葉だけでなく、全体的な発達にもゆっくりした様子がみられます。
一方、DLDでは、主な困難が言葉の理解や表現にあり、それ以外の発達は比較的年齢相応であることも少なくありません。
ただし、これらの特性が重なってみられる子どももいるため、専門家による総合的な評価が大切です。
学校生活で困ることもある
幼児期には、「少し言葉がゆっくりな子」と思われていても、小学校に入ると困りごとが目立つことがあります。
例えば、
- 先生の説明が理解しにくい
- 新しい言葉を覚えにくい
- 文章を読むことが苦手
- 作文で言いたいことをまとめられない
- 友達との会話で誤解が生じる
などです。
言葉は学習の土台となるため、早い段階で気づき、必要な支援につなげることが大切です。
家庭でできる関わり方
DLDの子どもと接するときは、「たくさん話しかければよい」というわけではありません。
大切なのは、お子さんが理解しやすい方法で伝えることです。
例えば、
- 短く分かりやすい文で話す
- 一度にたくさん説明しない
- 絵や写真、実物も使う
- 新しい言葉は繰り返し使う
- 子どもの話を最後まで待つ
などの工夫が役立ちます。
また、「うまく話せない」ことを責めるのではなく、「伝えようとしてくれたこと」を受け止める姿勢が大切です。
言語聴覚士による支援も役立つ
DLDでは、言語聴覚士(ST)が支援を行うことがあります。
言語聴覚士は、
- 言葉の理解や表現の評価
- お子さんに合った練習
- 家庭での関わり方のアドバイス
- 園や学校との連携
などを行い、お子さんが日常生活や学習で困りにくくなるよう支援します。
早い時期から適切な支援を受けることで、お子さんの力を伸ばしやすくなります。
まとめ
発達性言語障害(DLD)は、知的発達症や聴覚障害などでは説明できない、言葉の理解や表現の困難が続く状態です。
主な特徴として、
- 言葉が増えにくい
- 長い説明が理解しにくい
- 言いたいことを言葉にしにくい
- 学習や日常生活に影響が出る
ことがあります。
言葉の発達には個人差がありますが、「言葉だけが気になる」「周りの子と比べて困りごとが続いている」と感じた場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。
お子さんに合った支援や関わり方を知ることで、言葉やコミュニケーションの力を少しずつ伸ばしていくことができます。

