電話での会話が難しくなるのはなぜ?
失語症になると、
「対面では何とか話せるのに、電話になるとうまく会話できない」
「電話が怖くなった」
「電話に出ることを避けるようになった」
という方が少なくありません。
実際に失語症のある方にとって、電話での会話は日常生活の中でも特に難しいコミュニケーション場面の一つです。
この記事では、失語症で電話の会話が難しくなる理由と対処法についてわかりやすく解説します。
電話は会話の難易度が高い
私たちは普段、相手と話すときに言葉以外の情報も利用しています。
例えば、
- 表情
- 口の動き
- 身ぶり手ぶり
- 指差し
などです。
対面ではこれらの情報が理解を助けてくれます。
しかし電話では音声しかありません。
そのため、失語症の方にとって電話は非常に負担の大きいコミュニケーション手段になります。
相手の表情が見えない
対面であれば、
- 喜んでいる
- 怒っている
- 困っている
といった感情を表情から推測できます。
また、「この話をしているんだな」という手がかりも得られます。
しかし電話ではこれらの情報がありません。
言葉だけで理解しなければならないため、難しさが増します。
聞き返しがしにくい
失語症の方は、「もう一度言ってください」と伝えること自体が難しい場合があります。
そのため、一度聞き逃すと話についていけなくなることがあります。
特に早口の相手との電話は大きな負担になります。
長い説明が理解しにくい
電話では、病院の予約や行政手続きなど、長い説明を聞く場面があります。
例えば、
「来週の火曜日の午後2時に来院してください。その際は保険証と診察券をお持ちください」
という説明でも、失語症の方には情報量が多すぎることがあります。
途中まで理解できても、後半が分からなくなってしまうことがあります。
言葉が出ないと沈黙になってしまう
失語症では、言いたいことがあるのに言葉が出ないことがあります。
対面なら、
- 表情
- 身ぶり
- 指差し
で補うことができます。
しかし電話では相手に伝わりません。
そのため、長い沈黙が生まれてしまい、焦ってさらに言葉が出なくなることがあります。
メモを取りながら会話するのが難しい
電話では、相手の話を聞きながら、
- 内容を理解する
- 記憶する
- メモを取る
必要があります。
失語症の方にとっては、複数の作業を同時に行うことが大きな負担になります。
知らない相手との電話はさらに難しい
家族や親しい友人なら、言葉が出なくても待ってもらえることがあります。
しかし、
- 病院
- 銀行
- 市役所
- 会社
などとの電話では、相手が失語症を理解していない場合があります。
そのため、「早く答えなければ」というプレッシャーが強くなります。
電話が苦手になるのは自然なこと
失語症の方の中には、
電話に出ること自体が怖くなる方もいます。
これは決して怠けているわけではありません。
実際に電話は失語症の方にとって難易度の高いコミュニケーション手段だからです。
まずは、「電話が難しいのは当然」と理解することが大切です。
電話の負担を減らす工夫
電話が必要な場合は、次のような工夫が役立ちます。
- あらかじめ話す内容をメモする
- よく使う言葉を書いておく
- ゆっくり話してもらう
- 家族に同席してもらう
- スピーカーフォンを活用する
準備をしておくだけでも安心感が生まれます。
電話以外の方法を活用する
最近では、
- LINE
- メール
- SMS
- チャット
などの手段が利用できます。
文字でやり取りできる方であれば、電話よりも負担が少ない場合があります。
無理に電話にこだわらず、自分に合った方法を選ぶことも大切です。
まとめ
失語症で電話が難しくなるのは、
- 表情やジェスチャーが使えない
- 長い説明が理解しにくい
- 言葉が出にくい
- 聞き返しが難しい
といった理由があるためです。
電話が苦手になるのは珍しいことではありません。
事前の準備や家族のサポート、文字によるコミュニケーションを活用しながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。

