誤嚥性肺炎とは?
「誤嚥性肺炎とはどんな病気ですか?」
「誤嚥すると必ず肺炎になるのでしょうか?」
「家族が誤嚥性肺炎を繰り返していて心配です。」
誤嚥性肺炎は、高齢者や嚥下障害がある方に多くみられる肺炎です。
高齢化が進む日本では、誤嚥性肺炎は非常に身近な病気となっています。
しかし、「食べ物が肺に入ること」と思われがちですが、実際にはそれだけではありません。
この記事では、誤嚥性肺炎とはどのような病気なのか、原因や症状、予防方法までわかりやすく解説します。
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、唾液などと一緒に口の中の細菌が気管から肺へ入り、肺で炎症を起こす病気です。
通常は、飲み込んだものは食道を通って胃へ送られます。
しかし、嚥下障害などによって食べ物や唾液が誤って気管へ入る「誤嚥(ごえん)」が起こると、細菌も一緒に肺へ入り込み、肺炎を引き起こすことがあります。
つまり、誤嚥性肺炎は「誤嚥によって起こる肺炎」です。
誤嚥しても必ず肺炎になるわけではない
「誤嚥=誤嚥性肺炎」と考えられがちですが、実際にはそうではありません。
誤嚥しても、
- 咳で異物を出せる
- 免疫力が保たれている
- 口の中が清潔に保たれている
場合には、肺炎にならないこともあります。
一方で、
- 咳をする力が弱い
- 免疫力が低下している
- 口の中に細菌が多い
場合には、肺炎を起こしやすくなります。
つまり、誤嚥だけでなく、全身状態や口腔内の環境も大きく関係しています。
なぜ高齢者に多いの?
高齢になると、
- 飲み込む力が弱くなる
- 咳をする力が低下する
- 口の中の細菌が増えやすくなる
- 持病が増える
など、いくつかの要因が重なります。
そのため、若い人よりも誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
また、誤嚥してもむせない不顕性誤嚥が増えることも、高齢者で誤嚥性肺炎が多い理由の一つです。
誤嚥性肺炎の症状
誤嚥性肺炎では、次のような症状がみられます。
- 発熱
- 咳
- 痰が増える
- 息苦しさ
- 食欲の低下
- 元気がなくなる
- ぼんやりする
- 呼吸が速くなる
高齢者では、はっきりした症状が出ないこともあります。
「なんとなく元気がない」「食欲が落ちた」といった変化が、誤嚥性肺炎のサインであることも少なくありません。
誤嚥性肺炎になりやすい人
次のような方は、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。
- 嚥下障害がある人
- 脳卒中になった人
- パーキンソン病などの神経疾患がある人
- 認知症がある人
- 神経筋疾患がある人
- 頭頸部がんの治療を受けた人
- 高齢者
- 寝たきりの人
これらの方では、定期的に飲み込みの状態を確認することが大切です。
誤嚥性肺炎を予防するには?
誤嚥性肺炎は、日頃の工夫によってリスクを減らせる可能性があります。
口腔ケアを行う
口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の予防で最も重要なことの一つです。
歯磨きや舌の清掃、入れ歯の手入れを毎日行いましょう。
飲み込みに合った食事を選ぶ
無理に普通食を食べるのではなく、その人に合った食形態を選ぶことが大切です。
必要に応じて、とろみをつけたり、やわらかい食事に変更したりします。
正しい姿勢で食べる
食事中は、
- 背もたれにもたれる
- あごを軽く引く
- 足を床につける
など、安定した姿勢をとることで誤嚥を防ぎやすくなります。
嚥下リハビリを行う
飲み込みの状態に合わせたリハビリを続けることで、飲み込みの機能を維持・改善できる可能性があります。
「肺炎を繰り返す」は要注意
誤嚥性肺炎を何度も繰り返す場合は、
- 嚥下障害が進行している
- 不顕性誤嚥が起きている
可能性があります。
その場合は、医師や言語聴覚士による詳しい評価を受けることが大切です。
まとめ
誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって口の中の細菌が肺へ入り、炎症を起こす病気です。
誤嚥したからといって必ず肺炎になるわけではありませんが、
- 嚥下障害
- 咳をする力の低下
- 口腔内の細菌
- 免疫力の低下
などが重なると発症しやすくなります。
予防には、
- 口腔ケア
- 食事形態の工夫
- 正しい食事姿勢
- 嚥下リハビリ
がとても重要です。
特に高齢者や嚥下障害がある方では、「むせる」「発熱を繰り返す」「食後に声がガラガラになる」といった変化を見逃さず、早めに医療機関へ相談することが大切です。

