話すスピードが速すぎる・遅すぎるのはなぜ?
「以前より早口になった」
「話し方がゆっくりになった」
「急に話すスピードが変わった気がする」
構音障害では、発音だけでなく話すスピードにも変化が現れることがあります。
話し方が速すぎたり遅すぎたりすると、発音そのもの以上に聞き取りにくくなることがあります。
この記事では、話すスピードが変化する理由について分かりやすく解説します。
話すスピードも脳が調整している
私たちは普段、無意識のうちに話す速さを調整しています。
例えば、
- 相手が子どものとき
- 大勢の前で話すとき
- 電話で話すとき
など、状況に応じて自然にスピードを変えています。
この調整には、
- 脳
- 呼吸
- 舌や唇の動き
が関係しています。
病気によってこれらの働きが影響を受けると、話すスピードにも変化が現れます。
話すスピードが速くなる場合
パーキンソン病でよくみられる
パーキンソン病では、「加速現象」と呼ばれる症状がみられることがあります。
話し始めは普通でも、
だんだんスピードが速くなり、発音が崩れていきます。
ご本人は気付きにくいことも少なくありません。
発音を急いでしまう
構音障害があると、「早く話そう」
という意識から、かえって発音が雑になることがあります。
すると、
- 音が抜ける
- 言葉がつながる
- ろれつが回らない
といった状態になります。
話すスピードが遅くなる場合
発音を意識している
構音障害のある方は、
「はっきり話そう」と意識することがあります。
その結果、一音ずつ丁寧に発音するため、
話すスピードが遅くなることがあります。
筋肉の動きが遅くなる
脳卒中や神経の病気では、
舌や唇の動きそのものが遅くなることがあります。
すると、発音に時間がかかり、
全体の話すスピードも遅くなります。
小脳の病気ではリズムが乱れることも
小脳の病気では、速い・遅いというより、
話すリズムそのものが不自然になることがあります。
例えば、「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す」
のように、一音ずつ区切るような話し方になることがあります。
これは失調性構音障害の特徴の一つです。
速い方が悪い?遅い方が悪い?
どちらが良い・悪いというわけではありません。
ただし、
速すぎる場合
- 発音が崩れやすい
- 聞き取りにくい
遅すぎる場合
- 会話に時間がかかる
- 相手とのやり取りが難しくなる
という問題が生じることがあります。
大切なのは、「相手に伝わりやすいスピード」で話すことです。
リハビリではスピードも評価する
言語聴覚士は、発音だけでなく、
- 話す速さ
- リズム
- 抑揚
なども評価します。
必要に応じて、
- ゆっくり話す練習
- 区切って話す練習
- 音読練習
などを行います。
スピードを調整するだけで聞き取りやすくなることもあります。
家族ができるサポート
話すスピードが変化しても、
「もっとちゃんと話して」と注意するだけでは改善しません。
まずは、
- 最後まで聞く
- 急がせない
- 落ち着いて会話する
ことが大切です。
また、
聞き取りにくいときは、
「もう少しゆっくりお願いできますか?」と優しく伝えるとよいでしょう。
まとめ
話すスピードが速すぎたり遅すぎたりするのは、脳や神経、話すための筋肉の働きが影響しているためです。
パーキンソン病では早口になりやすく、脳卒中やALSではゆっくりになることがあります。
また、小脳の病気では話すリズムが乱れることもあります。
話すスピードの変化も構音障害の大切な症状の一つです。
適切なリハビリや周囲の理解によって、より伝わりやすい会話を目指すことができます。

