見た目では分かりにくい障害とは?
高次脳機能障害は、「見えない障害」と呼ばれることがあります。
脳卒中や頭部外傷の後遺症というと、手足の麻痺や車いす生活をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、高次脳機能障害のある方の中には、
- 普通に歩ける
- 会話ができる
- 一見すると元気そうに見える
という方も少なくありません。
そのため、周囲から障害が理解されにくく、本人やご家族が苦しむことがあります。
この記事では、高次脳機能障害が「見た目では分かりにくい障害」といわれる理由について解説します。
高次脳機能障害は外見から分かりにくい
高次脳機能障害は、脳の損傷によって
- 記憶
- 注意
- 判断
- 計画
- 感情コントロール
などに問題が生じる障害です。
しかし、これらは外見からは見えません。
例えば、
- 骨折ならギプスが見える
- 麻痺なら動きの制限が見える
ため、周囲も障害を理解しやすくなります。
一方、高次脳機能障害は脳の働きの問題なので、見た目だけでは気づきにくいのです。
「元気そう」に見えることがある
高次脳機能障害のある方は、
- 歩行できる
- 会話できる
- 身の回りのことができる
場合があります。
そのため、
「もう治ったんだね」
「普通に生活できているね」
と思われることがあります。
しかし実際には、
- 約束を忘れてしまう
- 集中できない
- 段取りが立てられない
といった困難を抱えていることがあります。
どのような困りごとがあるの?
記憶障害
新しいことを覚えにくくなります。
例えば、
- 同じことを何度も聞く
- 予定を忘れる
- 薬を飲み忘れる
などがみられます。
周囲からは「ちゃんと聞いていないだけ」と思われることもあります。
注意障害
集中力が続きにくくなります。
- ミスが増える
- 気が散りやすい
- 複数のことを同時にできない
などの症状がみられます。
仕事や家事で困ることが少なくありません。
遂行機能障害
計画を立てたり順序立てて行動したりすることが難しくなります。
例えば、
料理を作る場合でも、
- 材料を準備する
- 手順を考える
- 時間配分をする
ことがうまくできなくなる場合があります。
社会的行動障害
感情や行動のコントロールが難しくなることがあります。
- 怒りっぽくなる
- 衝動的になる
- 相手の気持ちを考えにくくなる
などがみられることがあります。
周囲に理解されにくい理由
高次脳機能障害の方が苦しむ理由の一つが、「理解されにくさ」です。
例えば、
本人は精一杯努力しているのに、
- やる気がない
- 怠けている
- 不注意だ
と誤解されることがあります。
また、「昨日はできたのに今日はできない」
という波があるため、周囲も戸惑うことがあります。
本人も気づいていないことがある
高次脳機能障害では、自分の障害に気づきにくい場合があります。
これを「病識低下」といいます。
本人は、「自分は以前と変わらない」と思っている一方で、
家族や職場の人は、「以前と違う」と感じていることがあります。
そのため、周囲との認識のずれが生じることがあります。
家族も見えない負担を抱えやすい
高次脳機能障害では、ご家族も大きな負担を抱えることがあります。
例えば、
- 忘れ物の確認
- スケジュール管理
- 感情面のサポート
などを日常的に行う場合があります。
しかし外見では分からないため、
家族の苦労も周囲に理解されにくいことがあります。
「見えない障害」を知ることが大切
高次脳機能障害は、見た目だけでは分かりません。
だからこそ、
- 本人が障害を理解する
- 家族が特徴を知る
- 周囲が正しく理解する
ことが大切です。
適切な支援や環境調整によって、生活しやすくなることは少なくありません。
まずは「見た目では分からない障害がある」ということを知ることが第一歩になります。
まとめ
高次脳機能障害は、記憶や注意、計画、感情コントロールなどの脳の働きに影響する障害です。
歩ける、話せる、一見元気そうに見えることが多いため、「見えない障害」と呼ばれています。
その結果、
- やる気がないと思われる
- 怠けていると誤解される
- 本人や家族が孤立する
こともあります。
高次脳機能障害を正しく理解し、見た目だけでは分からない困りごとに目を向けることが大切です。

