災害時に利用できる支援制度(聴覚障害)
「災害が起きたとき、聞こえにくい人への支援はあるのでしょうか。」
「避難所で情報が聞き取れない場合はどうすればよいですか?」
地震や台風、大雨などの災害では、避難情報や生活に必要な情報が次々と発表されます。
しかし、聴覚障害がある方は、防災無線や避難所でのアナウンスが聞き取りにくく、必要な情報を得られないことがあります。
そのため、日本では聴覚障害のある方が安心して避難生活を送れるよう、さまざまな支援制度や情報提供の仕組みが整えられています。
この記事では、災害時に利用できる支援制度や、日頃から準備しておきたいことについて、言語聴覚士がわかりやすく解説します。
災害時は情報を得ることが最も重要
災害では、
- 避難指示
- 避難所の場所
- 支援物資の配布
- ライフラインの復旧状況
など、
重要な情報が次々に発表されます。
聞こえにくい方は、音声だけでは情報が伝わりにくいため、文字や視覚的な情報を活用することが大切です。
避難所では合理的配慮を受けられる
避難所では、障害のある方への配慮が求められています。
例えば、
- 筆談で対応する
- 情報を文字で掲示する
- 手話通訳者や要約筆記者を配置する(状況による)
- 静かな場所で説明を受けられるよう配慮する
などの支援が行われる場合があります。
困っていることがあれば、遠慮せず避難所の職員へ伝えましょう。
手話通訳・要約筆記を利用できることがある
大規模災害では、自治体や聴覚障害者情報提供施設などを通じて、手話通訳者や要約筆記者が派遣されることがあります。
避難生活や行政手続きで必要な説明を受ける際には、利用できるか相談してみましょう。
聴覚障害者情報提供施設
各都道府県には、聴覚障害者情報提供施設が設置されている地域があります。
災害時には、
- 災害情報の提供
- 支援制度の案内
- 手話通訳に関する情報
などを行うことがあります。
普段から連絡先を確認しておくと安心です。
避難行動要支援者名簿
多くの自治体では、災害時に支援が必要な方を対象とした避難行動要支援者名簿を作成しています。
登録すると、災害時に地域の支援者や自治体が安否確認や避難支援を行いやすくなります。
対象や登録方法は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
災害時に役立つ情報ツール
聞こえにくい方は、文字による情報収集が重要になります。
例えば、
- 災害情報アプリ
- 自治体の防災メール
- 緊急速報メール
- テレビの字幕放送
- インターネットの災害情報
などを活用しましょう。
スマートフォンの通知設定を確認しておくことも大切です。
補聴器・人工内耳の備えも忘れずに
災害時には、補聴器や人工内耳に必要な物品も準備しておきましょう。
例えば、
- 予備電池
- 充電器
- モバイルバッテリー
- 乾燥ケース
- 防水ケース
- お手入れ用品
などを非常持ち出し袋へ入れておくと安心です。
人工内耳を使用している方は、機器のメーカー名や型番を控えておくことも役立ちます。
家族や地域とのつながりも大切
災害時には、周囲の支えが大きな力になります。
普段から、
- 家族へ聞こえにくさを伝えておく
- 近所の方と顔見知りになっておく
- 避難場所を確認しておく
- 連絡方法を決めておく
など、事前の準備をしておくことが安心につながります。
言語聴覚士ができる支援
言語聴覚士(ST)は、聞こえにくさによる生活上の困りごとについて相談に応じ、
災害時の情報収集やコミュニケーション方法について助言を行います。
また、補聴器や人工内耳を使用している方には、非常時の備えや日頃からの準備についても一緒に考えます。
必要に応じて、耳鼻咽喉科や自治体、相談支援機関と連携しながら支援を進めます。
日頃の備えが安心につながる
災害はいつ起こるか分かりません。
だからこそ、普段から利用できる制度や相談先を知り、必要な備えをしておくことが大切です。
「情報が聞こえないかもしれない」という不安を減らすためにも、家族や地域、支援機関と連携しながら準備を進めておきましょう。
まとめ
災害時には、避難所での合理的配慮や手話通訳・要約筆記、聴覚障害者情報提供施設による支援、避難行動要支援者名簿など、聴覚障害のある方を支える制度があります。
また、災害情報アプリや字幕放送の活用、補聴器や人工内耳の予備電池・充電器の準備など、日頃から備えておくことも大切です。
利用できる制度や支援を知り、家族や地域と協力しながら、安心して避難できる環境を整えておきましょう。

